そんな中で最初のインタビューの印象と実際に働いた印象が全く違った学生が何人かいます。京大経済学部を休学してきた H 君。インタビュー時は声が擦れており「き、き、緊張してますんで」と汗ばんでいました。「学歴は高いけど線が細そうだな」と思っていたのですが、実際は逆。休憩時間毎に煙草を吸いに外に出る様子はまるでインテリ・ヤクザのよう。インターン期間の最後には50もの社内改革案を私に突きつけて帰りました。その H 君、「日本に帰ったらマッキンゼーらの現役コンサルタントが主催する学生ビジネスコンテストに出場します」と言っていました。権威あるコンテストらしいのですが、しばらくして「優勝しました」との報告。何でも「吉野屋の牛丼の売り上げをどう伸ばすか?」という課題に対して「パチンコ屋と提携する」というアイデアを核にしたビジネス・プランが高い評価を得たそうです。「月平均20万円をパチンコで稼ぎ、その内5万円を本代に使っている」と豪語する彼らしい話でした。
立命館大学の K 君はインタビュー時、少し自閉症気味でした。小柄でうつむき加減、質問に最低限の答えしかしない彼をみて、「これはさすがにダメだろう」と思ったのですが、友人と一緒にインタビューに来た彼だけを落とすのも忍びません。えーい、と取りました。ところが時間とともにこの印象も大きく変わりました。回りの状況を正確に認識する力、内容深く読みやすいレポート作成能力、人に対する気配り、どれをとっても素晴らしいのです。インターン期間を延長して働いてくれたのですが、最後は私の方が彼を手放すのが辛く、自分の秘書として残ってくれないかと真剣に思ったぐらいでした。
在米期間の長い U 君。最初の印象は「典型的な現代っ子」というものでした。どうも言葉に重みがないのです。「マジで・・・、何々っすから・・・」といった彼の言葉使いに慣れるのにしばらく時間がかかりました。しかし時間がたつうち、彼の中にある、周りの人への細かい気配りや、仕事に対する責任感がわかるようになりました。ダウンタウン・シアトルでおこなわれた展示会の出展準備の際は自慢の 4WD を出してくれ、雑務も嫌がらずにやってくれました。言葉使いもいつの間にか大人のそれに変わっていました。ホント、最初の印象というのも分からないものです。そして、良い方に印象が変わることが圧倒的に多いのがうれしいです。