Made in WashingtonIMO
シアトル情報ポータルサイトENGLISH会員登録お問合せサイトマップ
今月の特集生活ガイド読み物プロに聞こう!ホット・トークマリナーズ情報イベントカレンダーシアトル子育てネットワークペットと暮らすFindMe!
今日のPICKUPToday's Seattle今日のニュースPhrase of the DayおトクINFO
ベンチャー企業奮闘記!
ベンチャー企業奮闘記!
       
  筆者紹介:大澤裕さん(おおさわ・ゆたか)
ピンポイント・マーケティング・ジャパン/代表
慶応義塾大学経済学部卒。米国バンカーストラスト銀行企業金融部勤務(企業米国進出支援業務)を経て、米国カーネギーメロン大学経営学大学院に留学し、MBA 取得。1997年に起業し、2000年にシアトルへ。詳細は、2003年7月の 『ぶらぼおな人』 で。
   
       


第13回:(株)カネコ

引き続き、我々がクライアント企業をどうお手伝いしているかお話しましょう。

(株)カネコというパーティー・グッズの売り上げ日本一を争う会社があります。創業1884年(明治17年)、愛媛県の宇和島に本拠を持ち、クラッカー製品で日本市場はおろか一時は米国市場も席捲しました。ご多分にもれず1980年代に中国製品によって米国市場からの撤退を余儀なくされましたが、現在また米国市場への再上陸を試みています。その切り札は、機械化によるコスト削減、インターネットを使った通信販売、そして卓越した商品開発力です。

ピンポイント社が請け負った仕事は、カネコ社の誇るもっともユニークな製品、ジャンボクラッカーの米国パートナーの選定でした。ジャンボ・クラッカーとはその名の通り、全長1メートルもの巨大なクラッカー。日本ではすでに結婚式場で使われているもので、教会や式場から出てくる新郎・新婦の頭上に向けて、友人達が綱引きのように紐を引いて発射、1500本もの金銀の華やかなテープが舞い散ります。お祝いイベントの最高潮を演出する素晴らしい製品です。

このジャンボ・クラッカーを切り口にして米国の販路を再度構築しようというのがカネコの戦略でした。ただ、問題が1つありました。それは、米国への輸出および販売のためにどのような認証が必要なのかがわからないということでした。大きな外観のわりに使う火薬の量は微小なため通常のクラッカーとして認められてもおかしくないのですが、どの米国機関に認定してもらえればよいのかが分からないのです。ただ飛行場ではわざわざ「クラッカーは飛行機に持ち込めません」といった札が手荷物検査場に貼ってありますので、非常にセンシティブな問題であるということは確かでした。

我々が最初にアプローチしたのは、パーティー・グッズのセールス・レップやチェーン店でした。興味を示す会社は何社かあったのですが、「認証のお手伝いまではできない」との返答でした。次に持っていったのがラスベガスのホテル・チェーンです。ラスベガスでは年中パーティーが行われていますし、ホテルが花火を打ち上げることもあるので、そういった専門家も抱えているだろうと考えたのです。アプローチしたホテル・チェーンの1つ(世界最大級のチェーン)から、30万個分の見積が欲しいという依頼が来ました。日本市場のウン十年分の量です。しかし、やはり「認証を得るお手伝いはできない」との返答でした。

そして、最後にアプローチしたのは花火会社。花火会社であれば、いくら大きくても所詮クラッカーなどは子供のおもちゃ、認証の手伝いなど簡単に違いありません。興味を示してくれた3社を訪問してみたところ、さすがに彼らの火薬物の輸入・輸送・販売に関する知見は大したものでした。その頃には我々も米国で販売するのに一番大切なのは、DOT(米国運輸省)の認可(EX 番号・爆発物番号)を取得することで、どういった分類に認定されるかによって販路を変えなければならない、ということはわかっていましたので、花火会社はそれを裏付けるアドバイスをいろいろしてくれました。しかし、「もし我々が主体となってジャンボ・クラッカーの EX 番号を取ると、我々しか輸入・販売できなくなる。それでもよいか」とのこと。正直言ってそれは困りますので、結局、ピンポイント社がカネコ社の代理として米国運輸省への申請を行うことになりました。

そこで、まずはジャンボ・クラッカーの小型版のバズーカ・クラッカーを申請して認可されるか様子を見ることに。日本でテストをしてもらい、こちらで申請書類を作ります。我々も経験がなかったため、前述の花火会社にお願いして申請書類を添削してもらったりして、やっと申請書類を出すまでに半年かかりました。審査も通常は3ヶ月程で終わるのですが、米国運輸省も今まで見たことのないタイプだったのでしょう、担当官から直接質問が来たりして、認可通知が来たのは1年近くたったころ。これでやっと米国への輸出・輸送・販売の条件の一番大きい問題をクリアしたことになります。

このように前例がないユニークな独創製品であるほど、販売はおろか、その前提となる規制の認可は難しくなります。我々の仕事はいわば手探りで市場開拓のお手伝いをしているようなもの。難しいことも多々ありますが、それにチャレンジしていくのを喜びとするしかないのでしょうね。おかげでどんどん白髪も増えています(苦笑)。

(株)カネコ
www.p-kaneko.co.jp

(2008年1月)



■ ■ ■

ご意見・ご感想はこちらまで。

注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。
 
第22回 提携・パートナーシップについて
第21回 日本での出張
第20回 実力と外見
第19回 プライベート展示会の成功
第18回 米国企業とのミーティングいろいろ
第17回 面接の受け方
第16回 ベンチャー企業が育つ場所
第15回 瞑想の効用
第14回 インターン
第13回 (株)カネコ
第12回 篠田プラズマ
第11回 素晴らしい日本のベンチャー企業
第10回 ビジネス・スクールは役立つか?
第9回 コンサルティングの難しさ
第8回 初めてのセミナー
第7回 決裂
第6回 撤退の決断
第5回 新しいビジネス・チャンスの発見
第4回 自社の販売網構築
第3回 特許ライセンス vs. 自社販売網構築
第2回 会社設立準備
第1回 起業
ジャングル日誌 | 会社紹介 | コンテンツに関するお問合せ | 技術的なお問合せ
広告掲載について | ご利用上の注意 | 個人情報保護ポリシー

当ホームページ掲載の記事、写真、イラスト等の無断転載を禁じます。
This site is protected by copyright and trademark laws under U.S. and International law.
© 1998-2008 Junglecity Network, Inc. All rights reserved.