ワインとリンゴの町、ワシントン州ウィナチー市へぜひお越しください。無料ビジター・ガイドのお申し込みはこちら!Kohtoku Enterprise
シアトル情報ポータルサイトENGLISH会員登録お問合せサイトマップ
今月の特集生活ガイド読み物プロに聞こう!ホット・トークマリナーズ情報イベントカレンダーシアトル子育てネットワークペットと暮らすFindMe!
今日のPICKUPToday's Seattle今日のニュースPhrase of the DayおトクINFO
ベンチャー企業奮闘記!
ベンチャー企業奮闘記!
       
  筆者紹介:大澤裕さん(おおさわ・ゆたか)
ピンポイント・マーケティング・ジャパン/代表
慶応義塾大学経済学部卒。米国バンカーストラスト銀行企業金融部勤務(企業米国進出支援業務)を経て、米国カーネギーメロン大学経営学大学院に留学し、MBA 取得。1997年に起業し、2000年にシアトルへ。詳細は、2003年7月の 『ぶらぼおな人』 で。
   
       


第11回:素晴らしい日本のベンチャー企業

日本の中堅・ベンチャー企業がもっている世界で通用する技術でまだまだ一般の方に知られていないものはたくさんあります。我々は仕事の関係でそういった会社からよく相談を受けますので、当然そういった会社・経営者の方と知り合いになります。今日はその中から(株)光子発生技術研究所を紹介します。

(株)光子発生技術研究所が開発したのは 『みらくる』 という超小型シンクロトロンです。「シンクロトロン」といってもピンと来ない人が多いかもしれません。これは粒子加速器といって加速した粒子がぶつかって壊れるときの状態を観測することによって原子核・素粒子の構造を調べるもので、原子物理学研究の最先端装置です。装置といっても通常のものは巨大な円形の実験施設で、日本では兵庫県に 『スプリング8』 という施設があります。この『スプリング8』 の全周は1.2km ですが、ジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)にいたっては全周27km です。

(株)光子発生技術研究所のCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)であり立命館大学教授でもある山田廣成教授はこのシンクロトロンをわずか直径30cm に極小化することに成功しました。それまでのシンクロトロンは加速された粒子が進む方向を磁力を使って曲げていたので大きな半径が必要だったのですが、教授は粒子ターゲットにあてて曲げる方法を考案・実用化したのです。ビリヤードで玉が他の玉に当たって急角度に曲がる要領です。この発明に世界中が驚いたことは、英科学雑誌 『Nature』 に2回(2005年3月号、2007年1月号)も取り上げられたことからもあきらかです。

その超小型シンクロトロン 『みらくる』 およびそこから創出される高輝度 X 線がもたらす潜在的なインパクトは数えきれない程あります。例えば医療分野においては、今まで見つけることができなかった1mm レベルのガンを発見することが可能になります。それをターゲットとして X 線を照射して焼き殺すこともできます。また、非破壊検査用装置としては、自動車の品質管理や棟梁の検査などに利用できます。米国ではテロへの懸念から港湾や空港でもセキュリティが格段に厳しくなっていますが、その面などでは緊急な需要があるでしょう。その他、半導体やバイオなどでも多くの応用分野があります。

ピンポイント社ではこの 『みらくる』 の米国をはじめとする世界市場への拡販を担当し(私自身も社外取締役をさせていただいています)、カリフォルニアの X 線関連の会社と販売代理店契約を結んだり、某超大手企業の中央研究所副所長の来日ミーティングをアレンジしたりしました。昨日は弊社でインターンシップをしているベンジャミン君がワシントン州上院議員のパティー・マリー氏に手紙を出したところ、ホームランド・セキュリティ関係の政府機関を紹介するきちっとした手紙が返ってきたりしてわくわくしています。こういった日本の素晴らしいベンチャー企業が世界へ飛びだすお手伝いをさせていただけることを幸せに思う瞬間です。

最後に蛇足。何年か前に「CERN のシンクロトロンを使った実験で超小型ブラックホールができる可能性はないのか?」と、前述の 『Nature』 に投稿した人がいます。これを本当に計算した同誌が「1兆分の1(か何か)の確率であり得ます」と答えたので大騒ぎになりました。実験中にできたブラックホールに地球が飲み込まれて、一瞬で消えたらどんな SF も超えたシュールな風景ですね。シンクロトロンの持つポテンシャルを良くも悪くも象徴する話です。地球がなくなっては困りますが、日本人の開発した超小型シンクロトロンが世界の医療・ナノテク・セキュリティー・半導体等の市場を変えるとなれば素晴らしいと思います。

(2007年11月)



■ ■ ■

ご意見・ご感想はこちらまで。

注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。
 
第22回 提携・パートナーシップについて
第21回 日本での出張
第20回 実力と外見
第19回 プライベート展示会の成功
第18回 米国企業とのミーティングいろいろ
第17回 面接の受け方
第16回 ベンチャー企業が育つ場所
第15回 瞑想の効用
第14回 インターン
第13回 (株)カネコ
第12回 篠田プラズマ
第11回 素晴らしい日本のベンチャー企業
第10回 ビジネス・スクールは役立つか?
第9回 コンサルティングの難しさ
第8回 初めてのセミナー
第7回 決裂
第6回 撤退の決断
第5回 新しいビジネス・チャンスの発見
第4回 自社の販売網構築
第3回 特許ライセンス vs. 自社販売網構築
第2回 会社設立準備
第1回 起業
ジャングル日誌 | 会社紹介 | コンテンツに関するお問合せ | 技術的なお問合せ
広告掲載について | ご利用上の注意 | 個人情報保護ポリシー

当ホームページ掲載の記事、写真、イラスト等の無断転載を禁じます。
This site is protected by copyright and trademark laws under U.S. and International law.
© 1998-2008 Junglecity Network, Inc. All rights reserved.