その超小型シンクロトロン 『みらくる』 およびそこから創出される高輝度 X 線がもたらす潜在的なインパクトは数えきれない程あります。例えば医療分野においては、今まで見つけることができなかった1mm レベルのガンを発見することが可能になります。それをターゲットとして X 線を照射して焼き殺すこともできます。また、非破壊検査用装置としては、自動車の品質管理や棟梁の検査などに利用できます。米国ではテロへの懸念から港湾や空港でもセキュリティが格段に厳しくなっていますが、その面などでは緊急な需要があるでしょう。その他、半導体やバイオなどでも多くの応用分野があります。
ピンポイント社ではこの 『みらくる』 の米国をはじめとする世界市場への拡販を担当し(私自身も社外取締役をさせていただいています)、カリフォルニアの X 線関連の会社と販売代理店契約を結んだり、某超大手企業の中央研究所副所長の来日ミーティングをアレンジしたりしました。昨日は弊社でインターンシップをしているベンジャミン君がワシントン州上院議員のパティー・マリー氏に手紙を出したところ、ホームランド・セキュリティ関係の政府機関を紹介するきちっとした手紙が返ってきたりしてわくわくしています。こういった日本の素晴らしいベンチャー企業が世界へ飛びだすお手伝いをさせていただけることを幸せに思う瞬間です。
最後に蛇足。何年か前に「CERN のシンクロトロンを使った実験で超小型ブラックホールができる可能性はないのか?」と、前述の 『Nature』 に投稿した人がいます。これを本当に計算した同誌が「1兆分の1(か何か)の確率であり得ます」と答えたので大騒ぎになりました。実験中にできたブラックホールに地球が飲み込まれて、一瞬で消えたらどんな SF も超えたシュールな風景ですね。シンクロトロンの持つポテンシャルを良くも悪くも象徴する話です。地球がなくなっては困りますが、日本人の開発した超小型シンクロトロンが世界の医療・ナノテク・セキュリティー・半導体等の市場を変えるとなれば素晴らしいと思います。