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第7回 : 21世紀 男たちのパワーランチ こんにてゅいわ、マチルダです。お元気していらっしゃいますの?アタクシは大好きな秋の始まりにちょっとウキウキ。 先日うちの会社の男連中でレストランに昼食を食べに行った時のこと。日頃から会社の皆と仲良く仕事してても、女性社員との方が圧倒的に気楽なOLマチルダはちょっと緊張気味だったかしら。女性社員仲間と食事に行く時はアタクシ1人でチアリーダーみたいになって「ちょっとアンタのとこ最近どうなってんのよっ!?」って具合に、周りの話を奪いながらも調子良く、そして図々しく会話を仕切っているんだけど、本物のチアリーダーを見て育った男連中にアタシのなんちゃってチアリーダーぶりが果たして通用するかわからなくて、でしゃばることなく、OLマチルダからリーマン・マチルダに変身して、周りの雰囲気にシンクロしていたの。男社員と共に1台の車にギュウギュウ詰めになって揺られながら、着いた所はなんともかわいらしいタイ料理レストラン。 初めての男社員だけでの外食会。緊張してるのはアタシだけじゃなかったみたい。男同士といっても会計課で働いている人、セールス部署で働いている人、研究室で働いている人、そしてアタシみたいにヘッドセットしてカモンヴォーグしてる人と、人間性と同じく、職種もいろいろ。みんなウキウキしてるけど何を話したらいいのかわからず、ソワソワしちゃってて。でもそんなぎこちなさを一生懸命隠そうとしていて。 そんなギクシャクしたテーブルで私達をなごませた会話の前菜は"How's life outside of work..?."。そしてちょっと驚きの"My wife and I..."へ。アタシもそんな会話に混じってもおかしくない年頃なんだわね、なんて思いながらため息ついてた。会話がだいぶんなじんできて、第2のアペタイザーはそれぞれの子供の話。"My kid is going to..."。あらあら、気がついたら親馬鹿大会。アタシもそんな馬鹿になってみた〜い、なんて思ってたら、いよいよメインディッシュは『奥方のムニエル』。 世界の奥様方、心配なさるな。男たちは可愛げに家族の写真をチョコっと財布から取り出しては愚痴に聞こえるオノロケ模様。そんな奥方のムニエルはとてもバターがきいてて、アタシは胸焼けで虫の息になってたわん。芸者マチルダに変身したものの、あまりにも男くさいオノロケにカラータイマーが鳴るどころか、嫉妬でショートしてしまって胸から煙がモクモク。「シュワッチ!」って脱出したかった。 「だめよ、マチルダ!こんな男達のオノロケにうろたえちゃダメ!貴方にだってすてきなハニーがいるじゃない!」 そんなこと心に言いきかせつつも、やはり"My WIFE blah blah blah..." パワーに押された小心なアタシは汗タラタラ模様でイエローカレーを黙々と食べてた。しゃべりたいけどしゃべれない。おしゃべり好きなアタシがしゃべれなくなってるってどれだけ苦しいか、貴方には分かって???なんか最近、妙なことにイジイジしてしまうアタシ。 でも、男たちはアタシの心の葛藤に気づくことなくデザートへ。それはチョコレートよりももっと甘い"How long have you been with your wife...?"。しかも山の手ゲームのように、テーブルの向こうから1人ずつ・・・。 「あら、これって・・・、えっ・・・まさか貴方たち、アタシは・・・?えっ・・・、アタシの番が・・・」 『クイズ100人に聞きました』のように、サクサクっとテンポ良く答えていかないと、ブブ〜っと時間切れで白けちゃう。 「駄目よ、マチルダ。ココで場をシラケさせちゃ駄目!サクっと行くのよ、サクッと!」 でもね、はっきり言って、聞かれない時の準備もしてたの。聞かれなかった時のために変な理由まで作ってみたりして。かわいくないでしょ?長年の経験から、嫌々ながらも身についた自己防御策っていうのかしら。“口笛吹いて〜♪"空き地に行こうかとすら思ったわ。アタシ、「ゼ〜ンゼン平気よ、ゼ〜ンゼン平気」なんて心の中で強がり言って。アタシの事を気づかって、そっとしててくれた人も以前いっぱいいたの。気づかってくれたのは本当にありがたかったんだけど、でもアタシが求めていたものはそういった孤立じゃなくて、みんなと一緒に楽しく過ごすこと。でも、今日もスーっとスカシっ屁なのかしら・・・。 そんな心の葛藤とは裏腹に、ある社員がサクッと、 "Matilda, how long have you been with your dumpling?" (※ハニーのことを話す時は"dumpling"『お団子ちゃん』と呼んでいる) 「こっこれは空耳?」 (マチルダ、心の声。もちろんエコーバリバリよ。) "Matilda, how long have you been with your dumpling?" 「あら、アタシそろそろ耳掃除が必要かしら?耳かっぽじり?」 (マチルダ、心の声。もちろんエコーバリバリよ。) "Matilda, how long have you been with your dumpling?" "Did I hear what I thought I heard?" (マチルダ、心の声。もちろんエコーバリバリよ。いい加減に早く質問に答えなさいよって?) 会社の男たち、アタシに聞いた。アタシのハニーの事を、まるでボブ(仮名)の奥さんのジェニファー(もちろん、これも仮名)の事を聞くように。その瞬間、今まであった緊迫感がパ〜ンッとはじけて・・・。何も気張ること無いのね。まるで生まれて初めてゲイバーに遊びに行った時のよう。みんな一緒ね、っていう団結感って言うのかしら、なんとも言えない"Inclusive"な空間。それくらい緊張がほぐれた。そして、 "Five and a half years now..." 嬉しくて、ニンマリして、アタクシ、誰よりもノロケちゃった。もちろんね、聞かれた後には一瞬、アタシも含めたみんなの間にちょっとした気まずさはあったのよ。でもね、その気まずさはとても甘酸っぱくて、心地の良いものだった。越えられそうで越えられていなかった大きな壁を、一緒に乗り越えちゃったような。自分と人との心がクリックする瞬間、貴方は感じたことあるかしら?心あれかしらね。のクリッククリッククリック連発よ、マシンガンのように。そして、 「ちょっとアンタ、聞いてはる〜?」 って、今までのイジイジとは裏腹に、ランチタイム過ぎても同僚を引き止めてレストランでリサイタルしてたアタシ。誰も止める事出来なかったわん。本当に嬉しかったんだもの。結婚して一家の主として落ち着き始めたそんな男たちは、マチルダの事もちゃんとマイホーム星人&リーマン野郎として仲間に入れてくれたんだものね。オヤジくさくてもいいの、いいのよ。カッコイイじゃない、リーマン野郎。あたしたちに乾杯! なんとも言えない癒しのきいてたある日のパワーランチ。21世紀、なかなか悪くない今日この頃。 又来月。 マチルダ 注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。 |
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