|
|
第19回 : 行け、マチルダ! サンダーバード状態でお団子ちゃん救出大作戦の巻 こんにちわ。寒くなったわね。この前までスペースニードルがぽかぽかと日向ぼっこをしていたのに、最近じゃそんな彼ったら朝は霧に囲まれてまるでスチームバスに入っているよう。そんな風景が楽しめるようになったシアトルはもう秋の始まりだわね。なんだかずっと昔にキョンキョンが歌ってた『木枯らしに抱かれて』が頭の中に流れてくる。♪チャッチャカチャッチャカ〜ってドラムの音が遠くから聞こえて、それは妙に切なく、でもたき火して芋でも食べながらプ〜したくなるそんな秋。マイ・シーズンの始まりよ! そんな秋の週末のある朝、アタシはひさびさにお団子ちゃんと別行動をすることに。うちの人が週末にミーティングがあるとのことで、早起きをしてお弁当作って。久々に1人で週末を迎える事になったアタシは以前通っていたカフェで友人とまったりとお茶をしようなんて考えてね。 「それじゃ、あなた、夕方ね」 お弁当を抱えたうちのお団子ちゃんはユニバーシティ・ディストリクトで下車した後に手を振ってアタシを見送った。さて、誰に電話しようかしらん。アタシは大好きなコーヒーショップがあるキャピタルヒルへとアクセルを踏んだ。久々の自分だけの週末を思う存分に満喫したい。するとアタシの携帯に電話が。あら、こんな1人だけの時間にこんにちわしてくる罪な人は誰?車の中で電話の着信履歴を確認するとそれはそれは先ほど降ろしたばかりのお団子ちゃんじゃないの。あらやだ、どうしたのかしらん。 「ラァイシュゥデシィタァ・・・」 え、何言ってるの、この人・・・。あたしはびっくり。やさしく返事してあげようと気持ちでは思ってても、その反面あたしのプレシャスでワガママな週末をくれてやるかと、あたしったら思いっきり冷たく 「あら、あたしもう用事があるのよぉ」 なんてつっけんどんに返事した。小犬が口にくわえている玩具を人が取り上げようとすると、上目使いで歯茎むき出しのかわくない顔してウーッと唸るあれかしらね。そんな心境だったわん。あたしもあんな顔してたのかしら、車の中で・・・。あらやだ。でも誤解しないでくださいまし。別に彼といるのがいやなわけじゃないの。でも1人でボーっと何も考えることのない、ぜいたくでワガママな時間がほしかっただけ。そんなこと、皆さんないかしらん? でも、さすがに彼の悪気のない電話には背を向けることはできなかったわ。朝食をおごるという餌に釣られたアタシは自分だけのプレシャスな週末の一時を後にしてハンドルを切り、食欲と共に再度お団子ちゃんのところへ向かった。あたし貧乏だからこういった誘いに本当に弱いのよねぇ。 それにしてもこういうことって、アタシたちお互いに携帯電話があるから可能なのよね。それがなかったら彼は夕方までぽつんとアタシを待つばかり。2003年も終わるというのにこんな事を言うのも何だけど、携帯電話って持ってると便利だわね。連絡しそこなって待ち合わせ場所で合流することできずに気分を害す事もないし。常にどこにいても大丈夫なのねって。 実はウチのお団子ちゃんとの関係、当時は公衆電話での恋愛から始まった。片方が自宅に電話がない時もあったので、そんな時は電話はいつも公衆電話から。それから間もなくアタシがポケットベルを持つようになった。夜の11時にポケットベルがププーッと鳴ると、彼の仕事が終わったというお知らせ。25セントを公衆電話に入れて彼の会社に電話するんだけど、たまに終わりの連絡じゃなくて残業の知らせだったりする。当時文字入力不可能なポケットベルを使用して、いかに25セントを無駄なく公衆電話でお団子ちゃんと連絡をとれるかっていう時もあったかしらね。時にはその小銭を切らしてしまったり。そんな時は日本のテレフォンカードがとても恋しくなった時もあったかしらん。 結構前に誰かが、♪ポ〜ケベル〜がぁ〜、鳴らなくて〜って歌ってたのも、今じゃほほえましい過去だわよね。今じゃ電話に出ないと、アタシからかけさせてもらうざんすぅ状態ですもの。 現在アタシたちは共に携帯電話を使用して、こうやって連絡を取り合っている。それだけじゃないの、それから我が家に2台のコンピュータが存在するようになって、メールでも連絡するようになったし、今では隣同士にすわっているにも関わらず、たまにインスタント・メッセンジャーを使って会話をするくらい。 アタシたちって、いったいどんな時代に住んじゃってるのかしらなんて感じる。技術は時代とともにもっともっと進んでいくのでしょうね。今度はどんなハイテク機器がお団子ちゃんとアタシの連絡手段を手助けするのかしらん。テッ、テレパシー? 何気なく使っている携帯電話だけど、そんなお団子ちゃんを迎えに行くほんの数分の間に昔を振り返って、いろいろな思い出が頭の中を飛び交っていた。そうこうしているうちに、先ほど彼を降ろした交差点の角が見えてきた。うちのお団子ちゃんもアタシの車に気がついたよう。彼が交差点の角に立ってポケットに手を入れてなにかモゾモゾしていると思ったら、彼は携帯電話を取り出してアタシに電話してきた。 ぴぴぴぴぴ〜。 電話をとると、彼が笑顔で、そして手をアタシにふりながら "I am here!" :-) っとほっとしたのを表現した様子。知ってるわよ、お団子ちゃん。あなたがそこにいるのは。お団子ちゃん発見後、ヘッドセットをして運転していた夢見る乙女マチルダの気持ちは、さっそくお団子ちゃん救出作戦に。 サンダーバードー・・・カクカク〜ゥ 「パパ、目標確認しました。直ちに救出作業開始します。カクカク〜ゥ」 お団子ちゃんを確認後、アタシはとっとと電話を切っていたにも関わらず、お団子ちゃんはまだアタシが電話の向こうにいると信じて、携帯電話ごしに一生懸命に何かを訴えていた。オフピークとはいえど、こんなことでアタシはエアタイムを使わないのよ。 「お待ちどうさま!」 (ウインク) こうして携帯電話のおかげで待ち伏せをくらうことなく、そして気を害すことなく、お団子ちゃん救出任務を見事に終了。約束通りその後たらふくおいしいご飯をいただいちゃった。デザートもよろしくね。ちょっとした肌寒さがとても心地良いマチルダでした。みなさんはこの秋何か特別なことするのか知らん。手紙でも書いて教えてちょうだい。 また来月。 マチルダ 注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。 |
||
|