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第10回 : ゴジラ対モスラの戦いにマチルダ顔負け。年末の大掃除に一本とられるの巻! 皆さん、このエッセイを読んでいただくころには新年明けましておめでとうございますなのね・・・。2003年もよろしくお願いさせていただいてよ! 年末ということもあって、アタシとお団子ちゃんで大掃除をすることに。毎年この時期になると大掃除にやる気一杯で、あれもこれもと掃除だけにとどまらず模様替えもと思考が展開していくの。でもそんなやる気とは裏腹にアタシの考える掃除の手順と模様替えのアイデアと、ウチのお団子ちゃんの意見がなかなか噛み合わなくて、いつも実行する前に大喧嘩で作戦失敗ということになるのが落ちだったわ。現にアタシのコンピュータの横にあるホワイトボードには、昨年末からずっと記されたままで、そして実行不可能だった大掃除プロジェクトの順番が今でもかすれながら残ってるほど。アパート住まいということもあって 「どうせ引っ越すしね・・・」 なんて理由で掃除も模様替えもついつい面倒になって曖昧になっちゃって。そして挙句の果てに毎年リースの更新の時期が来ると引越しが面倒くさくなり、 「もう1年住んどこうかしらね、あなた・・・」 っといった具合に、固く誓った引越しの決意とは裏腹に、同じところにまた1年住みつく始末。 米国にやって来た当時はリュックサック1個だけに納まっていたアタシの所持品も、今じゃ引越し前の準備やその為の身の回りの整理を考えただけで頭が痛くなる程に増えてしまった。今年は社会人になったということもあって、生活設計に精神的なゆとりがだいぶん出来たので、本格的に我が家のアパートを別嬪さんに大変身させる心の準備が。レントンにある家具屋さんにも行ってみたいわ!もうやる気一杯よ。一般的にゲイカップルは『細かく綺麗好き』なんて誰が言い始めたかは知らないけど、あたしとお団子ちゃんはとてもじゃないけど大変な汚し屋さん。綺麗好きと言えばそうなのだけど、お互い自分の美を追求するのに大変で(あら、御免くださいまし)お部屋の方は「ちょっと、奥さんとこ泥棒入ったんじゃないの!?」チックな物事の散乱模様。本当に、あたし達ってミスター怠け者カップルなもんだから、どっちかが心を決めないと全然何もしないのよね。お互いにアパートが散らかっているのを承知していても気が付かないふりして。だって、又喧嘩になるのイヤだったんだもの・・・。喧嘩なんかしなくてもいいのは分かってる。でもね、どちらかが掃除しだすと、その時って絶対に自分のゴミよりも相手のゴミが気になっちゃうの。 ウチのお団子ちゃんは新聞散乱の天才。アタシが綺麗に整頓したばっかりの平和なアパートをゴジラがことごとく高層ビルを踏みにじんでいくように、火を噴く勢いで部屋中に古新聞を散らばせながら荒らしてゆく。 「キャー、止めて〜っ!」 なんて叫んでも人間のか細い声なんか大きなゴジラには聞こえてらっしゃらないように、お団子ちゃんはことごとく古新聞を散らかしても知らんぷり。 「このゴジラ野郎、何時になったら新聞の置き場がわかるのかしらん!?」 なんてイライラしちゃってる時、アタシも知らなかったんだけど、このアパートには実はモスラもいたということが発覚。洋服をことごとくあらゆる所に置く憎きモスラが。そう、それはお団子ちゃん曰く、アタシだったらしい。いつもお団子ちゃんが部屋を綺麗に掃除した後の平和なアパートには安らいでいる暇も無く、どこからか「モスラ〜ヤ♪」が飛んできて、すべてをお洋服で覆ってしまうらしい。 「ひっど〜い。アタシ、モスラじゃないも〜ん!」 こんなふうに、アタシもお団子ちゃんも自分自身のゴミよりも互いのゴミが物凄く気になって・・・。でもそれぞれが散らかした物はゴミではなくて「ただちょっと置いてただけ〜(Yeah right!)」な物だから、相手が思っているほどゴミとは感じていないの。ふふ、「目くそ鼻くそを笑う」ってこのことだわね、まさしく。 いじらしいおカマ同士のデスマッチはいつもこうして始まる。イヤン、独身の時は好きな時に自分の好きなように自分だけの部屋を飾れたのに。ずっと昔、日本の実家でも自分の部屋を掃除&模様替えした後は、家族を部屋に呼んでお茶会するほどだった。ウチのママなんかはそんな時は何時も 「まあ、喫茶店にいるみたいね!」 なんて暢気にコメントしながらインスタントコーヒーをすすって。そんな当時が懐かしいわ〜ん。でも今はお団子ちゃんとの2人のアパート。自分のわがままは通用しないんだわよね。部屋の事をどうするにも国会で政治家が話し合う程時間かかって。互いにそれぞれの意見を通したいがままに、気が狂ったかのように、 「マチルダ、マチルダでございま〜す。ご声援お願いすぃま〜す!」 って、相手の話を聞いたこっちゃなく、自分の希望を訴えるの。 「負けないわよ、貴方!」 なにはともあれ、そんなふうに悪化していくアパートを見ながら年末の大掃除をする緊張感がドンドンと上昇していく中、我が家の大掃除は始まった。あれは仕事中に受け取った1本の電話から始まったわ。“ピー!"という会社のお知らせベルと共に "Matilda, you have a call from Dumpling on park 101...(マチルダ、お団子ちゃんが内線一番でお待ちしてます)" と言う社内放送が。 「何か緊急事態でもあったのかしらん!?」 心配と共に電話をとったら、電話の向こうからは元気な声が。 "Sweet heart, I have a big surprise waiting for you when you come home tonight." アタシがヒントを伺おうとしても、この人ったら電話の向こう側で水戸黄門様のように笑っているだけ。どうやら秘密らしい。でもそれだったらなぜ会社に電話なんか?この人一体何者???仕事中にそんな電話してきて、あたし気になって仕事に集中できないじゃないの!アタシはその日一生懸命仕事を早く終わらせて、とっとと帰宅した。 「ただいま〜」 おうちに帰ると、途端に何かが違うことがわかった。 「あら、何かが違うわん?クリスマスツリーかしら、いや違う。えっ、何?フリフリカーペットの匂いがするわ!?もしや!?」 そう、ウチのお団子ちゃんたらアパートを大掃除し始めていたのだ。ウチのゴジラが大掃除を。そんな大変身したお部屋を拝見して絶句しているつかの間、ウチのゴジラは台所からやってきてニンマリとイヤらしい笑顔をアタシに見せつけた。 「まあ、喫茶に居るみたいね!?」 ゴジラが綺麗に整頓したお部屋と、自身満々のゴジラを見てついつい口にしてしまったのが、昔母が口癖にしていた誉め文句だった。モスラは既にゴジラの一撃に虫の息。アタシッたらヒクヒクしてた。 「フフ、アタシッたら一本とられたようね・・・。貴方に乾杯!」 そうね、つまんない喧嘩なんかしている暇ないわよね。お互い一緒に住んでいる、唯一ホッと出来るアタシ達のお城ですもの :-) 何時もきれいにしていましょうね、なんて。こうして今年の我が家の大掃除は円満に始まったのでした。 それでは新たに、今年もよろしく。又来月! マチルダより。 注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。 |
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