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  大阪でのバブルOL経験後渡米。フィラデルフィアを経て長年の友人のいるシアトルに落ち着く。現在その友人が主人と変わり、息子と長女までいる。ヒップホップやロックが大好きな傍ら、子育てはフォークソング風(?)。    
       


第15回 : 水中出産記


お休みをいただいていた間に、無事女の子を出産しました。現在もう2ヶ月、5.5kgにもなり、すくすくと育っています。今回は『水中出産』をしましたので、そのレポートをお送りします。

水中出産をしてみようかな、と思ったのは色々な理由からです。妊娠初期の頃、愛読している『Mothering』という雑誌に水中出産の特集が載っていて興味が湧いたこと、助産婦さんに「(出産予定の病院は)水中出産させてくれるよ」と教えてもらったこと、赤ちゃんとお母さん両方に「優しそう」であること、そしてちょっと変わった新しいことを試してみたかったこと、などでしょうか。

でも、おもしろ半分で「じゃあ水中にしよう」と簡単に決めたわけではありません。「水中出産ワークショップ」に出るなど、それなりのリサーチをしました。なんせまだ一般に行なわれているわけでもないので安全性は?万が一のときには?とギモンもたくさんありましたが妊娠も順調に進んでいて、1人目の時も安産だったし、トライしてみる方がメリットが大きいだろうという結論にいたりました。

予定日を1週間過ぎたので、病院(タコマのSt. Joseph's Hospital)で超音波で羊水の量を調べると(いったいどうやって?)少し足りなくなってきているとのこと。誘導はイヤだ、自然にまかせたいというような話をしながら内診をしてもらうと「あれ、陣痛始まってるんじゃない?」でも結局、痛みもないし病院はなんだかイヤだし、家に帰って電話で様子を連絡しあうことにしました。ところがやっぱり。家に向かう車の中あたりから、生理痛の少し強いようなのがやってきました。とりあえず家に帰りシャワーを浴びましたが、私の友人がレストランのトイレで出産した経験があるので、本当に車で産まれるんじゃないかと心配になりやっぱり病院に戻る、と連絡をいれました。

さて、夕方4時にプールに入りました。この時点で6センチでした。予定では主人はプールに入るつもりではなかったのですが、プールの壁が少し高くて柔らかく、踏ん張るところがないので、最初は外から私の体を支えてくれていましたが結局水着に着替えて入ってくれました。ドゥーラ(お産をサポートしてくれる人。プールはこの人からレンタルして病室におきます)は顔をあおいでくれたり、ジュースを口に含ませてくれたり、冷たいタオルにアロマテラピーオイルを含ませて首にまいてくれたり(これがなんとすごく気持ちいい!)写真を撮ったり、色々お世話をしてくれます。

水中なのでモニターにつながれることもなく、麻酔や薬はもちろん、点滴なども一切なしです。唯一、水中で使える心音を聞く装置だけ。内診もしないし、陣痛監視装置もないし、痛みは不規則なので、どれくらいの早さで陣痛が進んでいるのかは全くわかりません。助産婦さんは「自分の体を信じて、体の言う通りに」とのアドバイス。「がんばってるわね」「あなたはすごいわ!」と声をかけてくれます。バックグランドミュージックのCarol Kingにあわせて助産婦さん、看護婦さんをはじめみーんなが歌をうたっていたのでなんだかとても陽気なおかしな病室でした。

陣痛の痛みは急速に強くなっていきました。助産婦さんには「プッシュしたくなったら教えてね」と言われていました。そろそろプッシュしたいような陣痛が2、3回続いたので、プールの中で内診をすると全開。もういつでもプッシュしていいよ、とのことでした。正直「え?もういいの?」という感想でした。数回のプッシュのあと頭が出て、肩が出て、するっと赤ちゃんが出てきました。助産婦さんが受けてすぐに私の胸元にもってきてくれました。5時ちょうど、病院についてから1時間半の安産でした。

コホっと咳をして出てきた赤ちゃんはパッチリ目を開けて、全然泣きませんでした。赤ちゃんに優しいお産だという事を改めて実感しました。重力という未知のものに急激にさらされることなく、羊水のような暖かいお湯の中でお母さんに抱っこされている・・・。『暴力なき出産』が実践できたようでとても嬉しかったです。顔だけ出した状態で、お湯の中でずっと抱っこをしていました。へその緒もしばらく切らず、脈をうつのがほとんど止まるまで待ちました。主人は先に出てさっとシャワーを浴び、それからへその緒を切って赤ちゃんを水中から出しました。10分から15分くらいたっていたと思います。それで初めて、赤ちゃんは大声で泣きました。

水中(といってももちろんお湯ですが)はとっても気持ちよかったです。陣痛の痛みが軽くなったとは思いませんが、なんせプカプカ浮いて、体勢をくるくると自由に変えられるのがとても楽でした。ベッドに寝転んで陣痛の痛みに耐えるなんて考えられません。また、バスタブだと広くないので、動きまわることはできないですよね。プールの縁に捕まってうつぶせに浮いてみたり、エリックに後から羽交い締め状態にしてもらって仰向けに浮いたり。体が軽いだけというだけで物凄く楽でした。水中出産は、すべての妊婦さんにいいというわけではありません。でも、お湯の中に入るというのはとてもリラックスできて、それだけで大きなメリットだと思います。


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