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第2回:
US Bancorp Securities
留学期間: 1990年9月〜1996年6月
インターンシップ期間: 1995年6月〜1995年9月
■留学とインターンシップ
私はシアトルで大学と大学院を通して経済学を専攻しましたが、大学院に入学して初めて行ったインターンシップが
US Bancorp Securities (現 Piper Jaffray Inc.)でした。これは大学がまとめたインターンシップ先のリストで、経済学専攻の学生の受け入れを行っている企業から選んだものです。それ以前にも大学時代から校内の
"Student Employment Center" で書類整理などの仕事をしてきましたが、授業のない時間を有効に使うこと、より専攻に沿った実務経験を実社会で積むべき状況にあったこと、「経済学なら銀行へ行ってみたら」という教授の勧めがあったことなどから、すぐに連絡することに決めました。
自分で投資部の受付に電話をしてレジュメを送付し、担当者から電話をもらって面接の日時を設定。実際の面接は投資部の副社長2人(男性1人・女性1人)と行いました。2人は「今後に役立つ経験を与えるのが我々の役目だと考えている」と、いろいろ考えてくれましたが、私は投資部の基本的な流れを学びたいという気持ちがあったので、彼らの業務全般を補佐する補佐役に決まりました。学生ビザを持つ外国人であることから無償インターンシップでしたが、私にとっては「良い経験を得てレジュメに書くこと」「推薦人(referral)になってもらうこと」の方が重要でした。もちろん、「そのまま就職できれば・・・」という考えもありました。
■インターンの仕事
夏学期が始まってからすぐにインターンシップがスタート。私の上司となった副社長たちはニューヨーク市場にあわせて午前5時ごろから午前6時の間に出勤し、顧客のために必要な取引や連絡を行うなどの業務をこなし、午後4時ごろに退社するというのが基本的なスケジュールでした(もちろん、遅くまで残業したり、午後に顧客のところへ出向き、その後直接帰宅したりすることもあったようです)。私は基本的に午前9時から午後12時、または午後1時から午後4時でよいと言われましたが、最初の頃は仕事を覚えたいあまりに午前7時や午前8時に出勤することもありました。今から考えると、仕事がまだできない人にあまり早く来られても、監督役の彼らとしては自分の仕事と同時に私の監督をするという仕事が発生してしまい、大変だったと思います。しかし、彼らはそんな態度は少しも見せず、常にやることを与えてくれました。
銀行の投資部で実際の顧客データを扱った仕事をするため、インターンシップが決定した時点で私の身元調査(background check)が行われ、初勤務の日には両手指すべての指紋の押捺をしました。その後、副社長たちの補佐として働いている社員1人に紹介してもらい、「我々は4人のチームで動くんだ」と説明を受けた後、チーム・スピリットを生み出すためか、4人で近くのカフェに行き、「これからよろしく」という感じでラテを飲んだのを覚えています。
私に与えられた最初の仕事は、顧客ファイルの整理でした。それまではそれぞれが乱雑な手書きでまとめていたデータを、新しい書類に書き写してフォルダにまとめなおすというものです。新しい書類ができあがれば古い書類は廃棄するため、間違いや抜けがあってはいけないこと、きれいな字で書くこと、などを注意されました。とても大切な仕事ではあるものの頭を働かせる必要がない雑用には違いないので、「もっと頭を使う仕事をまかせてもらうには、この仕事を早く終わらせなくては」とかなり集中して働いた結果、3週間ぐらいかけてもいいと言われていたのを1週間でまとめ終わってしまいました。副社長たちは非常に喜んでくれ、次は重要な顧客の過去1年間の投資を副社長たちが分析するためのグラフなどを作り、さらにその分析を一緒に行い、そしてその結果を書類にするといった仕事をインターンシップ期間が終了するまで受け持つことになりました。彼らは私が作成した書類を顧客のところに持参したり郵送したりする時は必ず「君が作った書類を持っていくよ。きちんと作成してくれてありがとう」などと言ってくれ、実際に顧客が書類についていいことを言ってくれた時はその言葉を私に伝えてくれるなど、感謝していることを言葉で示す行動や、そういった行動をとる彼らの細かい気遣いが、私にとってはとても嬉しかったです。
インターンシップの最終日が近づいてきた頃、そのままインターンシップを続けるのはどうかと尋ねられました。この仕事で楽しくたくさんのことを学べたものの、自分が銀行や投資部には向いていないことを実感させられていた私は、別のインターンシップを探すつもりであることを伝えると、副社長たちは「推薦人(Referral)が必要な時はいつでも連絡しなさい」と言ってくれました。そして、最終日には
"Thank you for your hard work." と言いながら箱に入ったプレゼントを渡され、開けてみると中には私が女性の副社長とノードストロムに買物に行った時に買おうかどうか迷っていたブーツが入っていました。今から考えても、なんと気遣いのある人たちだったんだろうとしみじみ思います。
それから3つの会社でインターンシップをした後に某企業のマーケット・リサーチ・アナリストとして就職しましたが、インターンシップや就職の面接では必ずこの副社長たちに推薦人になってもらったため、大学院を卒業するまではたまに挨拶をしに行っていました。私が作った顧客ファイルはその後コンピュータ化されてしまいましたが、このインターンシップでは実務経験を積む他に、職場でのコミュニケーション能力・人脈・プロフェッショナリズムなど、貴重なものを得たと思っています。
▼ Piper Jeffray, Inc. 公式サイト
www.piperjaffray.com
(2004年4月)
注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。
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