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今のダンナが日本に留学していた時、度重なる「アメリカにおいでー」攻撃にまんまとひっかかって、1999年6月、シアトルの土を踏む。「英語ができない」「友達もいない」と、うだうだ悲しい気分が続いていたものの、どうにか自分が幸せになる道を作らねば、と奮闘中。苦しまぎれに「つまんなーい!日本に帰る−(T_T)」と半泣きになってもびくともしないダンナ相手に、悔しいのであれやこれやと作戦を練る毎日を送っている。
第9回 : カタカナと正しい発音
私の英語の発音がへたっぴだ。 ダンナの家族は、
「あなたのRとLのは同じにきこえるわ」
と今だにおキマリの台詞を私に投げつける。去年の渡米の時点では、あまりにうまく発音 できない私に業を煮やし、
「なんでできないの?」
と、ダンナはたびたび私の口に指をつっこんだもんだ・・・。ううっ。何でかわかってたら、うまく発音してるわよ!
そう言われてもできないものはできないので、くそー、と悔し涙を流した回数は数知れない。 そんな私を慰めようとしているのかどうか知らないが、ダンナのおかーさんは、
「英語が話せなくても新聞配達とかピザの配達とかはできるわよ。ほら」
と求人欄を差し出す。おまえよー、それ一生懸命勉強してるあたしに失礼だと思わんのか? いや、思ってねーんだろーなあ・・・、あんた無神経すぎるわよ、うううっ。
聞こえた通りに発音するために、言ってることによーく耳を傾けるようになった。だいたいにして、実際の音とかけ離れすぎているカタカナ日本語が多すぎるのだ!
有名なところで「マクドナルド」。この発音でアメリカ人にバカにされた経験のある人は多いはずだ!あたしは今だにダンナ に直される発音のひとつだし、
「Huh?」
と
「あんたなに言ってんの?」
と言わんばかりに聞き返されたことも数知れず。それにしても あの人をバカにしたような聞き返し方はどうにかならんのかねえ、といつも思う。せめて「メクドナルド」か「メクドーナルド」くらいだったらなあ。
カタカナ日本語には洋風おしゃれ感を醸し出す効果と、ちょっと人よりも最先端を知ってるのよ 私、的な優越感が含まれているような気がする。だから若者向けの流行を発信する企業やマスコミが好んで使うし、新しいカタカナ語がどんどん作られていくのだろう。それはとってもおもしろ いことだ。中高校生が作る略語も楽しい。英語の音をあまりにも忠実にカタカナに直すと、洋風のおしゃれさよりも、「私英語を知っているのよ、ふふん。」 という傲慢さを醸し出してイヤミくさくなってしまうのだろう。 多くの日本人が抱く英語に対する劣等感を刺激してしまうのだ。だから忠実な外国語のカタカナ化はご法度に違いない。しかし、それでますます日本人の英語 学習者を混乱させてしまう結果となる。
カタカナが果たす役割は大きいのはわかるけれど、それにしても素直に日本語訳を使った 方がいいんじゃないの?と思うものもある。 最近出会った英語で「entrepreneur」というやつがあった。ちなみにフランス語からきている らしく、日本語訳は「企業家、起業家」と「アントレプレナー」となっていた。私の英語聞き取りレベルの低い耳には「アントプレニョア」「エントプレニュア」と聞こえていた。そこでカタカナの「アントプレナー」という言葉を見て、「なんでわざわざカタカナにするのよー。別に起業家でいーではないか!これでまたへんてこり んな発音をしてバカにされる日本人が増えるかもしれんぞー。このカタカナ語を作ったヤツ、出てこーい!!」とひとりで憤っていた。まあ、元がフランス語だからホントはもっと違う発音なんだろうけど、あいに く私はフランス語がわからない。
マスコミには留学経験者も帰国子女もわんさといるんだから、なにもそんなに変なカタカナつくら なくてもいいとわかってもいいはずなんだけどなあ。起業家、企業家ってカタカナにしないといけないほど暗く重いイメージがあるのかしら。日経から「アントレ」という雑誌が出版されていて、既に略語化もされているのだから、 日本語が変化するパワーってすげーなあ、と違う意味で関心してしまったのも事実だ。
まあ、文句を言ったところで私の頭に蓄積されたカタカナ語を消すことはできない。 正しい発音への道は、長く、険しい。 そして今日もダンナに小バカにされるのだ。「Haha^_^ それは日本人の発音だよ」 く、くそー。
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