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  今のダンナが日本に留学していた時、度重なる「アメリカにおいでー」攻撃にまんまとひっかかって、1999年6月、シアトルの土を踏む。「英語ができない」「友達もいない」と、うだうだ悲しい気分が続いていたものの、どうにか自分が幸せになる道を作らねば、と奮闘中。苦しまぎれに「つまんなーい!日本に帰る−(T_T)」と半泣きになってもびくともしないダンナ相手に、悔しいのであれやこれやと作戦を練る毎日を送っている。    
       


第36回 :新年の抱負は達成されるか?


明けましておめでとうございます。
新年の抱負、と言えば、私の人生の中でそれを達成したことが今まであったのだろうか・・・・?いや、正直言って怪しいなあ。
毎年目標を決めるだけで満足し、大抵はそれで終わりである。そういえば去年の決心とは何だったのだろう。それでは全然目標としての役割を果たしていないではないか・・・。

しかし、今年こそは克服しなければならないことがある。
それは『運転』。
あー、これを書くだけでいやだなあ(笑)。逃げたい。
シアトルに来て3年ほどになるが、私は運転を避けに避けてきた。運転免許はあるし、日本でも運転歴はある。しかし、どういうわけか私はこれまで一度も車というものに魅せられたことがない。

「いい車を運転していること」
は国を問わず男がモテる、またリッチなステータスを示す基準としての広く流通している条件の1つであるようだ。私からすると、どうして交通手段としての自動車がそんなにピカピカで、時にはテレビまで完備してなければいけないのかさっぱりわからない。結婚前、まだ男性にとって獲物の対象として存在していた時期があったわけだが、彼らに車のブランド名や車種を自慢げに並べられても私には『豚に真珠』状態で、何がそんなにすばらしいのかさっぱりわからなかった。車のパーツをちょこちょこいじり、自分で作り上げていくのが好きでたまらない人の気持ちはわかるのだが、いい車を誇示する男性もそれに魅せられる女性の気持ちにも共感したことがなかった。
壊れてなきゃいいんじゃないの?汚れたらちょっと洗うくらいでいいんじゃない? 何で山に行かないのにそんなデッカイ四駆が必要なの?

そんな私も一時期、通勤のために軽自動車を所有していたが、地下鉄のある都市に引っ越してからはチャリンコもあるし、車を使わなくても特に不便のない毎日になった。あまり使わない車に駐車場代や税金などの維持費を払うのがもったいないので、さっさと売ってしまった。

シアトルに来てから一番最初に買った物はチャリンコだった。
しかし、ママチャリのような生活必需品というよりはスポーツ仕様で、買い物カゴが付いてないのでスーパーに買い物に行くにもちょいと不便。至る所でぴちぴち本格的タイツに身を包んだ自転車乗りを見かけるが、私の求めるチャリンコとはあくまで生活の手段としてのもので、趣味を追求するものではないのだ。
引越しに際して重要事項は『バスの便』と『歩いてスーパーに買い物に行ける距離』であった。夫も運転嫌いで、雨さえ降っていなければチャリンコ通勤なので、それらの事項についての反対意見もなかった。私が学校に行くにもバス1本で10分ほどだったし、今まで車を運転しなくても特に不便はなかった。
一応、ただの身分証明としてのIDをとるよりは運転免許もとっておこう、と思いこちらに来てすぐに免許は取得しておいたが、それも筆記、実技とも1回ずつ試験に落ちている。
「16歳の子供でも1回でパスするのに!」
と驚愕の夫は、それ以来私に運転を薦めなくなった。どうやら私の運転を恐れていたようである。いや、彼は「心配だから」という言葉を使っていたが、私の運転のどんくささに危機を感じたに違いない。

ところが、である。
突如運転をしなければならなくなった。
私の学校は設備が古く、他に間借りをしているところでクラスをとらなければならなくなったのである。その場所や、どうしても運転しなければ不便な場所なのだ。
ああ、いやだなあ。とうとうこの日が来ちゃったよう。 わかっていた。いずれは自らが運転して行動しなければならないことを。ここでは車と日本でのチャリンコの地位は同格なのだ。
恐れに硬直するダンナを助手席に乗せ練習すること数回。運転の際には目的地に関する地図を用意し、道順をインターネットで調べ、何度もしつこく見直し、フリーウェイの出口の番号をブツブツと唱えながら出発。
「あー、あたしはここで曲がりたくないのよう〜」
とレーンの罠にハマって唸り、
「すいません。あなたを邪魔する気はまったくないんです。私の運転が下手すぎるだけなんです」
とひたすら心の中で謝りつつ、世間様に迷惑をかけつつ私の運転生活は続いた。

今年からインターンシップを始めることになったのだが、その場所がなんとダウンタウンの近くであった。あ〜、もしかして路上駐車なの?!縦列?そんな上級なことできないわ。もし前後の車に傷がついても構わないとゆうならば問題ないけど。そんなことが許されるわけがないので、バス通勤も可能と言う会社からのメールに心が動いた。

なーんだ、バスにしよう。

いや、待て、ここで安易に運転という苦行から逃げていいものか?何事にも修行が大切なのだよ。今、私に必要なのは勇気と経験よ!ここであきらめちゃだめなのよ。
パソコンの前で書きかけのメールと共に私の心は揺れ動いた。どうしよう。
そして、最終的に私が選んだのは・・・

「明日はバスで伺います」

あ〜。いいのよ、こんな臆病者をせせら笑ってちょうだい。
葛藤を簡単に乗り越えられないから、新年の目標というものがあるのよ!(苦し紛れのでっちあげですな。)

ということで、今年は「人様に迷惑をかけぬ優良ドライバー」を目指して、精進、精進、日々精進。


■ ■ ■

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最終回 ふと気がつけば5年目
第53回 家を買うことにした "買った後の修理費"
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第51回 家を買うことにした "3度目のオファー・2度目のインスペクション"
第50回 家を買うことにした "3回目のオファーを出す前に"
第49回 家を買うことにした "迷い"
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第47回 家を買うことにした "2度目のオファー・初めてのインスペクション"
第46回 家を買うことにした "ふりだしに戻る"
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第36回 新年の抱負は達成されるか?
第35回 ガイジンの私と移民局(その2)
第34回 ガイジンの私と移民局
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第29回 ダブルカヤック
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第25回 今年の正月
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第 9回 カタカナと正しい発音
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