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今のダンナが日本に留学していた時、度重なる「アメリカにおいでー」攻撃にまんまとひっかかって、1999年6月、シアトルの土を踏む。「英語ができない」「友達もいない」と、うだうだ悲しい気分が続いていたものの、どうにか自分が幸せになる道を作らねば、と奮闘中。苦しまぎれに「つまんなーい!日本に帰る−(T_T)」と半泣きになってもびくともしないダンナ相手に、悔しいのであれやこれやと作戦を練る毎日を送っている。
第35回 :ガイジンの私と移民局(その2)
先月、移民局のカスタマーセンターに、
「あの〜、1年以上前に2年の条件付き永住権の書き換えを申請したんですが、未だに連絡がないんです。私の書類の処理状態はどうなってるんでしょうか?」
と電話したところ、
「あなたシアトルINSで面接することになってるわよ。面接の連絡通知なんか待ってないで、自分でシアトルINSに電話して日時を確認したらいいじゃないの」
と言われたので、そうですね、やってみます、と腑に落ちるような、落ちないような感覚をあえて無視してそう答えた。シアトルINSにEメールを送り連絡を取ろうと試みたが、数日待って返事が来ない。じゃあ電話しようかしら、と思ったその日の夕方、ポストを開けると頼みもしないのにカードを送り付けてくるクレジットカード会社の封筒に混じった私宛ての封書を発見した。 そう、INSからの面接通知であった。
なんだよ〜。その文書の発行日時がカスタマーセンターに問い合わせた日の前日になっていた。電話で話した時にはコンピューター上に文書発行の記録が反映してたはずだよなあ・・・。 まあ、いいや。
INSから指定された面接の日は11月中旬某日。
ダンナにそのことを伝えると、
「え?日程を組む前に僕たちの予定は聞いてくれなかったの?」
と寝ぼけたことをぬかした。 INSがそんな丁寧なことしてたら彼らの仕事は一生終わりませんよ・・・。
さてさて、面接通知には、
「結婚が続いている証拠とパスポート、Alien カードと写真2枚を持参してね。あと、面接の様子はビデオテープで撮るかもよ」
と書いてあった。ビデオテープで撮影なんて、まあ本格的ですこと。
前回の面接の時に何を聞かれたっけなあ。
その日は1月中旬だったので、大晦日に何をしたか?クリスマスに何をしたか?どうやって知り合ったのか?なんて世間話のような質問だった気がする。行く前にはおっかなびっくりだったけれど、実際にはあっけないもんだったなあ。
今回もそんなもんだろう。
特に後ろめたいこともないし。どうにかなるでしょう。
家族や親友たちの誕生日でさえ忘れてしまう我が夫のために、面接のある1週間前から1日おきに予告しておいたが、前日に面接のことを告げるとやはり忘れていた。
頼むよ、夫・・・。緊張感なさすぎるよ。でも人のことは言えない私。
実は写真を2枚用意するのを忘れていたのだ。ははは。面接当日の朝、そそくさと近所のスピード写真屋へ向かった。INS用の写真は右耳を見せて右頬ななめ45度から撮る。左側の頬の輪郭も見えなきゃだめ、など細々とした決まりがある。よく考えたらこの写真は10年間グリーンカードに載っているものになるのだ!とりあえず実物以上に悪くない程度の写真がいいなあ。いや、しかし、IDカードのようにしょっちゅう人様に見せる機会があるわけでもないからいいか。
面接のアポ5分ほど前にINSに到着した時には、11月にあるまじき晴天の下、ながーい列ができていた。しかし、今日はアポがあるから並ばなくていいのだ、わーい、と入り口のセキュリティを通過して待合室で名前を呼ばれるのを待った。予定時刻10分を過ぎた頃、女性の審査官に呼ばれ、夫婦共々オフィスの窓際の一角に案内された。
まず「真実のみを話します」という趣意の宣誓を行った後、持参した『婚姻関係が継続している証拠』なるものを提出した。私はまだ学生なので社会的な関わりが薄い、というか何と言うか、何をして婚姻関係を証明できるのかしらとちょっと困った。結局アパートの賃貸契約・車や歯の保険・共同名義の銀行口座などを証拠として提出したが、審査官はイマイチの反応。
「え?共同名義でタックスリターンのファイリングをしなかったの??だめじゃないのぉ〜、あなたどうしてやらなかったの?彼女は結婚が続いている証拠が必要なのよ〜」
とつっこむ審査官に夫はあたふたと、
「彼女がまだ学生なので、いや、インターネットで手続きをすませたので・・・、いや、すいません。やるべきでしたね・・・」
と言い訳していた。
もし証拠が十分じゃなかったらどうなるんだ、とちょっと心配になってきた私とは対照的に、審査官はテキパキと処理をこなしていき、あげくの果てには、
「子供はいるの?いない?じゃあ、何人ほしい?この前の人なんか真面目な顔で"12人"って言ったのよ!ホントに冗談じゃないの、私の顔をみて、って言ってたわ」
「卒業したらどういう仕事に就きたい?稼ぎたいでしょ?」
と世間話モードへと突入した。え?もしかして審査は終わったのかしら?
指定されたところ2ヵ所に指紋捺印とサインをして、パスポートにもう1年有効になるスタンプをポンッと押してもらった。
「新しいカードが届くのに3ヶ月くらいかかると思うけど、人によっては1週間だったり6ヶ月だったりするのよ。私もなぜかよくわからないけど」
え?もしかしてこれで終わりなのかな?この間、おそらく20分ほど経過していた。
「あの〜、何であたし面接に呼ばれたんですかねえ?もしかして疑われてるのかと思ったり、まあ、ランダムかとも思ったんですけど」
と探るように質問を向けてみた。
「さぁ〜ねえ。証拠が足りないこともあるし、ランダムな時もあるし。私もよくわからないわ。ただ私の仕事は予定通りに面接することだから」
なるほどね。面接して書類処理することが彼女の仕事であって、本当は人の運命を変えるような判断なんかしたくないというのが本音なんだろうな。
でも、それがINSで働いているあなたのお仕事なんですねぇ・・・。
何はともあれ、1年間にわたり私をやきもきさせた更新手続きはあっさりと終結を見た。よかったよかった、これですっきりした気持ちでホリデーシーズンを迎えることができます、ハイ。 あっという間にもうすぐ2003年。皆さんクリスマスショッピングを乗り越えて、よいお年をお迎えください。
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「効率的」と「がさつ」の境界線
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第37回
要はしつけ次第
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第36回
新年の抱負は達成されるか?
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第35回
ガイジンの私と移民局(その2)
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ガイジンの私と移民局
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