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  今のダンナが日本に留学していた時、度重なる「アメリカにおいでー」攻撃にまんまとひっかかって、1999年6月、シアトルの土を踏む。「英語ができない」「友達もいない」と、うだうだ悲しい気分が続いていたものの、どうにか自分が幸せになる道を作らねば、と奮闘中。苦しまぎれに「つまんなーい!日本に帰る−(T_T)」と半泣きになってもびくともしないダンナ相手に、悔しいのであれやこれやと作戦を練る毎日を送っている。    
       


第34回 :ガイジンの私と移民局


私はアメリカで暮らすようになって初めて『ガイジン』になった。現在の私の滞在ステータスは"Permanent Resident"、いわゆる"Green Card Holder"というやつである。私の場合は配偶者がアメリカ国籍保持者であるため、妻の私にも永住権が与えられた。たくさんの優秀な方々が苦労に苦労を重ねて就労ビザや永住権のスポンサー探しに四苦八苦しているのを私は知っている。だから彼らからしてみれば、
『たなぼたグリーンカード』
なんだろーなあ。
「『たなぼた』っていうのは、棚から予期せずぼた餅が落ちてくるくらいラッキー、ということなんだよ」
と夫に説明してみたが、餅ファンでない彼には何がそんなにラッキーなのかわからない様子であった。

「出会った運命の人が偶然アメリカ人でぇ〜」
というほど私はロマンチックな運命論者ではない。むしろ、
「ホントにそう思ってるの?」
と聞き返したくなる。国籍の違う人と結婚するのに偶然なんかあるのかなあ。偶然出会うことはあっても偶然結婚することはないのではないか?戦国時代の政略結婚みたいに送り込まれたのならまだしも、いろいろ考えた末に自分の意思で結婚するんだから、それはもはや『偶然』ではないと思うのだ。

「ここに住みたいから」
と簡単に居座れるわけもなく、この国に住みたいならガイジンの私としてはそれなりの手続きをしなくてはならない。正直言って移民局の手続きは難しくないがちょっと手間がかかる。受付の人にでどんなにぞんざいに扱われても、顎で指示されても、紙をひったくるように受け取られても、出来上がってきた小さなカードにスペルミスが2つもあってそれを直すために5時間待たされても、まあ、いいか、と思っていた。時間がかかってもいつかはやってくれるわけだし。

最初の2年間婚姻関係が続いていれば、その次に10年ものの永住権を申請することになっている。その申請は2年ものの期限が切れる1年と90日前からできるので、その時期になるとすぐにそれらの書類一式をネブラスカにある移民局のサービスセンターに送った。
「いくらINSの処理が遅くても1年以上も余裕があればだいじょうぶだろう」
そう、私は高を括っていた。
しかし、今月がその申請をしてから1年後であった。もちろん私の手元にはまだ新しいカードはない・・・。申請してすぐに、
「いま処理してるから待ってなさい。2ヶ月しても音沙汰がなかったら手紙か電話で問い合わせてね」
という旨の手紙が来たのでおとなしく待ちつつ、5〜6ヶ月過ぎたあたりから手紙を出したが音沙汰なし。しょうがないので先月電話したら、
「2週間で手紙が届くはず」
と言われぼんやり待ったが、1ヶ月しても音沙汰なし。つれないわね。電話してもなかなか繋がらないのよう。とにかくリダイアルしまくってカスタマーサービスに挑戦すること2日目の今日の朝、ようやく繋がった。
本人確認の際、緊張のあまり自分の生年月日をうっかり言い間違えてしまい、
「何で嘘を言ったのか?」
と疑い口調でつっこまれてドキドキしてしまった。すいません。英語が不自由なもんで・・・。
電話の向こうの職員曰く、
「あなたはシアトルのINSで面接する予定になっています。え?こちらからその旨の連絡の手紙を送るかって?送りませんよ。ご自分でシアトルのINSに電話してアポイントメントを取ってください。そうしないといつまでも待つことになりますよ」
な、なぬー!?
面接はまあいいとして、このあいだ言っていたことと違うじゃないのよう。しかも、その旨の手紙を送るわけないでしょ?何言ってるの?と言わんばかりの態度にあたしゃびっくりしたわよ。そっちから、連絡待て、って言われたから素直に待ってのに。だいたい、その面接に関する手紙を送らないってのはどういうことなのさー、と問い詰めたい気分だったが、そのカスタマーサービスの公務員にそんなことをきいてもわかるわけがないのでやめておいた。とにかく面接の日時を決めなければならないのだ。

この手続きについてはジャングルシティの掲示板でもつい最近話題になったばかりで、
「面接は申請者に疑いがあるというよりも、適当に抽出されているだけ」
だそうである。面接と言えば日本で運転免許を取る時、運転免許センターでは筆記試験は必須だが実技試験はランダムに抽出された人のみが受けることになっている。実はワタクシ、この実技試験に抽出された1人なんです・・・。どういうわけだか私はその手の抽出にひっかかる性質らしい。とにかく、私たちは偽装結婚でもなく、私もINSを欺いて巧みにグリーンカードをとってやれ、へへへ、と企んでいたわけでもないので別に面接くらいはいいのだが、日本で暮らしている時は気付きもしなかったけど、外人であるというのは手間がかかるもんだなあ。


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