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  今のダンナが日本に留学していた時、度重なる「アメリカにおいでー」攻撃にまんまとひっかかって、1999年6月、シアトルの土を踏む。「英語ができない」「友達もいない」と、うだうだ悲しい気分が続いていたものの、どうにか自分が幸せになる道を作らねば、と奮闘中。苦しまぎれに「つまんなーい!日本に帰る−(T_T)」と半泣きになってもびくともしないダンナ相手に、悔しいのであれやこれやと作戦を練る毎日を送っている。    
       


第22回 : 嫌われる国際結婚女


インターネットの世界では、『国際結婚女』はすこぶる評判が悪い。いろんな掲示板で叩かれまくっているのを見かける。『国際結婚女』からいやな目に遭わされて憂さを晴らしているんだか、ホントは会った事もないのに彼女らの存在が気に食わないのか知らないが、とにかく嫌われている。先日もジャングルの掲示板でも話題になり物議をかもしだしていたのでちょくちょく覗いていた。
「あ〜、あたしまた嫌われてるよ〜」
とパソコンの前で叫んでいたら、ダンナもやってきて、私と一緒にメッセージを読み始めた。そして笑い飛ばして一言。
「で、何で?」
知るか〜そんな事!でも興味深いトピックなので、ちょいと考えてみた。

嫌われる理由の主なものは、「気が強い」「自己主張が強い」「自分が人と違うと思っているような態度」、である。ふーん、そうなんだ、と思って読んでいた。でも、国際結婚女じゃなくてもこーゆータイプの人には近づきたくないなあ。いや、待てよ。別に国際結婚してなくてもこーゆーやつは、いるよなあ。

結局、嫌われる理由として私が行きついたのは、
「日本語で英語式思考および行動をしてしまうこと」
に端を発しているのではないか、と思う。
国際結婚妻は違う文化で育った配偶者と言葉によって交渉しなければならない。
「黙っていても、私のことが好きなら気をきかせてわかってくれるわ」
という法則が通用しない世界なのだ。だから、あたしはこう思っていて、こうしてほしいのよ、と言葉で説明しなければならない。その他、会話や食事の時、聞かれてなくても感想を述べる習慣がついてしまう。聞いているほうも反対意見でもたいして気にしない。これを英語でやっているうちには違和感がないのだが、これを日本語で日本人と一緒の時にやってしまうと、
「聞いてもないのに何いってんの、この人」
「なんで聞かれてもないのに料理の説明してんの?君は料理番組のゲストかい?」
となり、
「あーごめん。アメリカにいると聞かれてもないのに感想言っちゃうのよー」
と、うっかり言い訳してしまうものなら、そこでアウト。
「何アメリカ人ぶってんのよ!」
と、反感を買うこと間違いなし。

私がアメリカに来て、アメリカ人との会話で一番苦痛だったことは、彼らがいつも何か感想を述べていることだ。私からしてみれば、
「そんなのどーでもいーじゃないの。いちいち口に出して言うな。黙ってろよー」
とイライラしたものだ。しかしながら、実際アメリカ人と付き合う場面において黙っていると、「何も意見のない人」「つまらない人」と思われるらしい、と気づき、それが嫌でとりあえず何か喋るように、反応するように努めた。そして時々自分で気づくのだ。
「日本語でこんなこと言ったら不自然だよなあ」
私、主人を愛してますー、尊敬してますー、というのも英語で言ったら当たり前だけど、日本語で言ったら見せびらかしているように聞こえるだけだ。
「だって本当なんだからいいじゃない!」
そうなんだけど、日本語と日本の文化が受け付けてくれないので、仕方ない。とにかく「謙虚」「控えめ」「内に秘めたる誠実さ」が美しいのだ。日本とアメリカでは「いい人」「賢い人」の基準が違う。だから、「日本式」と「アメリカ式」の付き合い方を使い分けて行かないとなあ、と思う。

ちなみにダンナ曰く、私は日本語を話している時のほうが優しいそうである。(笑)
インターネット上では彼のことを「ダンナ」と横暴に扱っているが、人様の前では貞淑に『主人』と言う。自分が『忠犬ハチ公』になった気分で笑いたくなる。
「ご主人様、ワタクシ一生あなた様にお仕えさせていただきます」
というイメージである。でも正しい日本語だからなあ、と思い使っている。

国際結婚、といえば配偶者が『白人・青い目・金髪』というイメージが強いようだ。
私が自分とは違うカラフルな目や髪に出会ったときは、
「すげー。天然でこんな色になるのかあ。遺伝子の力ってすばらしい」
と感心したものだ。しかし、これを言ったら怒られるかもしれないが、トロピカルな魚や鳥を見たときにも同じことを思うのだ・・・。
「すげーきれいだ。こんなにくっきり色が分かれてる。遺伝子の力ってすばらしい」
人間、自分にないものにはあこがれるので、それをうらやましいと思うのはしょうがない。この問題に対する予防策は・・・ない。(笑)会話の相手がそれに触れないのを祈るのみだろう。

同じ日本人でも合う人も合わない人もいる。合わないなら付き合わなきゃいいのだけれど、職場や近所の人は選べない。だからうまくやらなけらばならない場面もある。でもどうせ嫌われるのなら『国際結婚女』だから、という理由ではなく、「個人的に嫌」という理由で嫌われたい、と切に願う今日この頃なのである。


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