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ジャングルの記念すべき21世紀の門出とともに、私のささやかなエッセイをスタートさせて頂くことになりました。留学という形でシアトルにやって来て、言葉、文化の大障壁と闘うこと1年と3ヶ月。その間には、誰でも陥るようなどん底ホームシック、なにもかもが楽しいふわふわ状態、言葉のフラストレーション大爆発、など山あり谷あり。森や丘、海や湖に囲まれながらシアトルで生活していると、日本では思いもしなかったようなことについてゆっくりと考える時間があります。そんなシアトルで考えたこと、体験したことをみなさんに毎月お届けしていきます。
第8回:アメリカの就職活動、シアトルのハイテク不況
実は今年の3月ごろから、私のボーイフレンドは転職活動をしていました。そしてこの度やっとのことで満足のいく転職先を見つけたのです。思い返せば、それは長くストレスの溜まる日々でした。3、4ヶ月のこととは言え、このご時勢、仕事内容・コンペンセーション(Compensation-お給料や福利厚生)の両方でまずまず満足のいく仕事先というのはなかなか見つからないですし、ドット・コム企業の相次ぐ倒産、解雇などでまわりには失業者があふれている現状では、普通に仕事を見つけるのも困難です。しかし、生活の中でも大きな位置をしめる「仕事」が充実していないと、生活全体が充実していないような気がしてきて元気が出ません。
セキュリティ関係のソフトウェア開発会社でセールスをしていた彼が転職したかった主な理由は、「開発者の怠慢」による自社製品への不信感、セールスを支える「セールス・アシスタントやカスタマーサービスの怠慢」の2点。私が思うに、彼は少々"Burn out"気味の状態だったと思います。というわけで、そこから脱するために仕事探しをスタートしたのは3月ごろでした。
アメリカの就職活動ではじめにやることがレジュメ作成。友人・兄弟・知人などのレジュメを集めて参考にしながら満足いくまで作り直します。同時に、業種と職種で会社をリサーチします。彼の場合は業種がハイテク関係(特にソフトウェア)で、職種はセールス。Washington Software Allianceなどのビジネス・ディレクトリーやPuget Sound Business Journalなどのビジネス紙などに掲載されている企業をインターネットでリサーチし、ホームページで採用状況などをチェック 。後で説明するリクルーターに、自分が興味のある企業のポジションを得ることができるかチェックしてもらいます。さらに念のため、monster.comやhotjob.com (
monster.comはhotjob.comを買収することになりました
)などの仕事探しサイトにもレジュメをポスティングします。
加えて、あらゆるコネを利用します。実はアメリカの就職活動で一番有効なのがこのコネ、いわゆるネットワーキング。知人や友人などが働いている会社に、その人物を通してレジュメを提出してもらうのです。例えば彼の場合、前の職場の同僚が現在働いている会社、前職で知り合った取引先の人物の会社などにレジュメを提出してもらいました。また、自分のオフィスの隣で働いているドット・コムの人と仲良くなり面接を受けたこともありましたし、前に働いていたオフィスと同じビルに入っていた別の会社からオファーをもらったこともありました。
アメリカでのネットワーキングは、日本でいう「コネ」とはちょっと違います。少なくとも私が就職活動をした1990年代前半では違いました。日本のコネでは、その人の実力はあまり考慮されることがなく、いかにその会社の有力者と近い関係にあるか、というのが問われます。また、コネで入社すると、紹介者の顔を立てるためにも「いやだから」といってすぐに辞めてしまったりすることはできません。しかし、アメリカでは、紹介者を通してレジュメを提出し、面接にこぎつけたとしても、あとはその人の実力次第で、紹介者がなんらかの責任を負うということはありません。それでも、リファラー(紹介者)がいるということは、その人物を知っていて紹介しても良いという人がいるということになりますから、何もないよりずっと強いのです。
ネットワーキングに加えて心強い存在がリクルーター。今回彼が最終的に希望の就職先を見つけたのもよいリクルーターと良い関係を築いていたからで、前職も同じリクルーターが斡旋してくれていました。この人物はリクルーター暦20年以上のベテランで、ハイテク関係のセールスを専門としています。リクルーターは斡旋していくら、というふうにコミッションを手にするわけですから、彼らもよい商品(人材)を売るセールスと同じ。よい商品になるためには、リクルーターの信頼を得、常に良い関係を保つことがとても重要なのです。良くない商品(人材)を売る(紹介する)ことは彼らの評判に関わりますから、なるだけやりたくないことです。
就職が決まった後も、リクルーターとは時々連絡を取るなどして関係を保っておくと、次に転職するときに役立ちます。アメリカでは同じ職種で経験を積み、3〜5年サイクルで転職、お給料・ポジションともに大きなステップアップをするというのが普通です。「前の会社がつまんないから」という理由もあるでしょうが、それよりはむしろ、自分のステップアップができるような前向きな就職・転職をしていくことが大切なのでしょう。
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