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ジャングルの記念すべき21世紀の門出とともに、私のささやかなエッセイをスタートさせて頂くことになりました。留学という形でシアトルにやって来て、言葉、文化の大障壁と闘うこと1年と3ヶ月。その間には、誰でも陥るようなどん底ホームシック、なにもかもが楽しいふわふわ状態、言葉のフラストレーション大爆発、など山あり谷あり。森や丘、海や湖に囲まれながらシアトルで生活していると、日本では思いもしなかったようなことについてゆっくりと考える時間があります。そんなシアトルで考えたこと、体験したことをみなさんに毎月お届けしていきます。
第5回 : アメリカ人になろう・1
シアトルに来て、日本ではしたことのなかったアメリカ人的行動のうちの1つが日曜大工(Do It Yourself)。アメリカ人は自分の家の壁をペイントしたり、板と釘を使って椅子を作ったり、古いバスルームに新しいタイルを張ったりと、専門家にお金を払って頼むのではなく、自分たちでリフォームしてしまいます。日曜大工が得意で手先が器用なMr. Handy Manは、アメリカ人女性にとって夫にすべき理想の男性と言えるかもしれません。
先日、しばらく訪れていなかった元ホストファミリーを久しぶりに尋ねました。「私に見せたいものがある」と、私を地下のベースメントに連れて行き、ステイ中に私が使っていたバスルームを見せてくれました。これが見事にきれいになっていたのでびっくり。元ホストマザーのモリーが「私が壁にステンシルをしたのよ。あの古いカーテンは、ピンクに染めて縫い直したのよ。」と嬉しそうに見せてくれました。そして、元ホストファーザーのアレックスは「ぼくが床のタイルを張って、この戸棚をつけたんだ」とにんまりと自慢。「私がいるときにしてくれれば尚良かったのに」などと思いながら「Oh! Great! 古いカーテンを染め直すなんてすばらしい考えだわ。それに、このステンシル、とっても上手ね。モリーは本当に器用ねえ!」と、アメリカ人的に大袈裟に誉めると、2人は満足げな表情を浮かべていました。
古いバスルームがピンク色のかわいい女の子風バスルームに変わってしまったのを目の当たりにしてすっかり影響を受けてしまった私は、早速プロジェクトを考えつきました。それは、家にあるテーブルと椅子のセットを黒く塗ること。そのテーブルは古くて、天板部分は木の色、脚の部分は緑色で、家のカラーにあわないのでずっといやだなーと思っていました。しかしペンキ塗りに関して私はなんの知識もなく、手伝う予定の彼にしても何も知らないという(アメリカ人なのに知らない人もいた)。そこでabout.comというウェブサイトで家具のペンキ塗りについて調べ、それに基づいてHome Depotで数種類のやすり、やすりをかけやすくするための道具、Primer(ペンキを塗る前に下塗りするもの)、黒のペンキ、ブラシ(太いのと細いの2種類)、タッククロス(ねばねばしたものがついていて、やすりをかけたあと、粉をふきとるのに便利)、防塵マスク(やすりをかけるときに粉が飛び散るので必需品)を買い、晴れた週末、テーブルのやすりかけから開始しました。
これは予想以上に大変な作業で、ペンキをたくさんつけすぎてたれてきたのがそのまま固まってしまったり、作業の途中で雨が降り出して1からやりなおさなければならなかったり。特に雨は大きな障害となりました。ペンキ塗りを始める前までシアトルでは珍しく週末はずっと晴れていたのですが、このプロジェクトを始めたとたん、週末は曇り時々雨という天気が3〜4週続きました。「もー、早く仕上げたい!」と焦る気持ちから、曇り空なのに「ええい!ままよ」と、無理して作業をしては雨に濡れてしまい、1からやり直し・・・ということを繰り返すはめに。とうとうすべての作業を終え、テーブル、椅子ともに黒く塗り終えたときにはすでに作業開始から1ヶ月以上経過していました。出来の方はまあまあ。よく見るとムラのあるところが数ヵ所目に付きますが、もともと古いテーブルだし、塗る前よりはクールに見えるし、遠くから見るとなかなかおしゃれな感じで見栄えがするので、一応は満足という結果。苦労してペイントした感想は、高い家具をポーン!と買ってくるのもいいけれど、こうやって時間をかけて(今回は初めてなのと天気の影響でかかりすぎたけれど)1つ1つ自分のお気に入りのものを揃えていくと、本当に自分の好きなマイホームが出来あがっていくなー、そして、アメリカ人たちは自分の家を少しづつ好きな色に塗ったり好きな形に変えたりしていってるのだなーということです。Home Depotなどの日曜大工のための材料を大量に揃えたショップも充実していますので、アメリカにいるうちにみなさんも是非一度トライしてみてください。
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