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ジャングルの記念すべき21世紀の門出とともに、私のささやかなエッセイをスタートさせて頂くことになりました。留学という形でシアトルにやって来て、言葉、文化の大障壁と闘うこと1年と3ヶ月。その間には、誰でも陥るようなどん底ホームシック、なにもかもが楽しいふわふわ状態、言葉のフラストレーション大爆発、など山あり谷あり。森や丘、海や湖に囲まれながらシアトルで生活していると、日本では思いもしなかったようなことについてゆっくりと考える時間があります。そんなシアトルで考えたこと、体験したことをみなさんに毎月お届けしていきます。
第3回 : 1年半ぶりの日本は・・・
シアトルに住んで約1年半。先月、初めて日本に里帰りする機会がありました。今回の帰国には特にこれといった目的はなく、家族に久しぶりに会おう!という単純な理由で一時帰国を決めましたが、私には2つ確かめたいことがありました。まず、1年半ぶりの日本はドラスティックに変わっているのか?ということ。そして、2つ目は、よく人から言われるように、「長い間アメリカにいた後日本に帰ると、人の会話、街の看板などあらゆる言葉が取り入れようとしなくても自動的に頭の中に入ってきて、非常に疲れる」というのは本当なのか?ということ。
久しぶりに降り立った日本の地は成田空港。飛行機の出口で"Thank you!"とノースウェストの乗務員ににっこりあいさつして通路を通りサテライトへ。んー、特に変わった様子はないな…そこは、相変わらず見覚えのある成田空港。長い長い入国審査への通路を歩き、1年半前、パスポートに貼りつけられた日本国入出国カードの半券をとってもらい、スーツケースをピックアップして税関を通り出口へ。ここまで来てもまだ、別段変わった様子はない。今回東京で滞在させてもらう親友まゆみの家へ電話をしようと公衆電話を探しました。うろうろしてやっと見つけた公衆電話を見てちょっとびっくり。それは初めて見る型のもので、オレンジ色と黄緑色で形は横長。インターネットなどができるジャックがついています。初めての『変化発見』にちょっと興奮気味に、さっそくその電話を使ってまゆみに電話をし、「きゃー、久しぶりー!今ついたよー!」と言うと、電話の向こうでは、「おぎゃーおぎゃー」という赤ちゃんの泣き声が。まゆみは、私のいない間に母親になっていたのでした。第2の変化発見(発見というより、目の当たりにした、という感じ)。
さて、地下にある京成線の駅までエスカレーターで降り、いつものように特急電車に乗りこみました。車内はすいていて、私の斜め前に中年男性が1人、左の方に若い女性の2人連れが乗っているだけ。私の斜め前の中年男性は携帯電話を除きこみながら、なにやら親指でボタンをぱちぱち(ぱちぱち音がするわけではない)している。あー、これが噂に聞いていたiModeか、と興味を持って彼のことを観察していました。彼は一体何をしているのだろう?株価でもチェックしているのだろうか?はたまた、取引先にメールでもしているのか…?そうこうしているうちに、3つ目の駅でたくさんの人が乗りこんできました。そのうち半数は手に携帯を持ち親指をしきりに動かしている。まるで、初めて日本に来た旅行者のように、彼らから目を離すことができませんでした。この時以来、日本滞在中この光景を毎日見ることになりました。
約1時間後、日暮里の駅に着き、JR京浜東北線に乗り換え川口へと向いました。久しぶりの人ごみでしたが、私には何の違和感もなく、瞬時に東京在住時代の感覚に戻っていました。JRの駅の電車発着時に流れる「タララララ―ン」という駅毎に違う音楽も変わっていない。2つ目の疑問である「あらゆる言葉や看板の字が目に入り疲れる」という感覚は、今のところまったくない。やはり、人によるのだなー、などとぼんやり考えながら川口の駅に向かう中でうとうとと(すっかり日本の感覚に戻っている)居眠りをしてしまいました。
思ったほどドラスティックな違いもなければ、違和感も疲れも感じない。久しぶりに会う友人も、子供を生もうが本人は変わっていないし、東京から神戸に向う新幹線も変わっていない。神戸にある実家の近くの駅には確かに新しいビルが2つ建ち、スターバックスも出来ている。それにさえ、特に「あー、変わったなー」という感動を覚えない。たった1つ私が違和感を覚えたのは、横長の公衆電話や新しく出来たビルやスターバックスなどではなく、明らかに以前と異なった人々の電車内での行動でした。iModeを親指で操る光景は、以前と変わらない電車の内装や、それほど変わらない人々の服装などの中にあって、1点だけ見慣れないもの。よく見慣れたものばかりでとても懐かしく感じる光景の中に、たった1つ見慣れないものが混じっていることに、何とも不思議な感覚を覚えたのでした。
実はこの里帰り旅行に、彼氏も同行したのです。その彼と私の家族とのご対面と会話については、どうぞ次回をご一読下さい。
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