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  ジャングルの記念すべき21世紀の門出とともに、私のささやかなエッセイをスタートさせて頂くことになりました。留学という形でシアトルにやって来て、言葉、文化の大障壁と闘うこと1年と3ヶ月。その間には、誰でも陥るようなどん底ホームシック、なにもかもが楽しいふわふわ状態、言葉のフラストレーション大爆発、など山あり谷あり。森や丘、海や湖に囲まれながらシアトルで生活していると、日本では思いもしなかったようなことについてゆっくりと考える時間があります。そんなシアトルで考えたこと、体験したことをみなさんに毎月お届けしていきます。    
       


第12回 : 雨の季節との付き合い方


来るとは分かっていたけれど、ついにやってきたこの季節。窓からの景色は昼間にもかかわらずいつもどんよりと薄暗い。外を歩けば雨に濡れて冷たいし、湿った木の葉が靴の裏にたくさんこびりついて家の玄関も汚れてしまう、何一つ良いことのない季節。外の景色が薄暗いと、それに合わせて人々の気持ちも薄暗くなるのか、ジャングルの掲示板でも鬱々とした気分で悩んでいる人やホームシックの人など、シアトルでがんばりながらも少々気分が暗〜くなってしまっている日本人が悩みを打ち明けたり、相談したりしています。このような投稿を読むと「う〜ん、わかるわかる」と妙に納得してしまい、一緒になって落ち込みそうになります。私の気持ちは雨を見ると本能的にマイナス反応を示し、暗い景色に飲まれるように気持ちまで暗くなっていくようです。

ところが、シアトルの雨はぜんぜん平気、あるいは好きだという人に、私の夫を含め、今まで3人会いました。この3人が同じことを言うのです。
「シアトルで雨が降っているということは、東に行けば雪だ。それを思うと(スキーやスノーボードなどができるので)わくわくする。ほんと、シアトルいいよな〜」
偶然かどうかわかりませんが、3人ともシアトル出身ではないのに、シアトルをとても気に入って住んでいるという共通点もあります。しかし、私にはこの気持ちが全く理解できませんでした。

ふと幼稚園の頃を思い出しました。あれは毎日雨が降っていたころでしたから、おそらく梅雨の時期だったのでしょう。赤や黄色のカラフルなセロファンをしずくや傘の形に切って、教室のガラス窓にぺたぺたと貼りました。なぜかとてもわくわくしたという記憶があります。雨は何だか特別のもののような気がして、雨の日が大好きでした。ということは、私にも雨にわくわくする気持ちがあったということです。自分の気持ちを掘り起こしてみれば、雨でわくわくした記憶のある人もいるでしょう。ただ、忘れてしまっているだけなのかもしれません。

そこで、思いました。この深く眠っている気持ちをもう一度呼び起こし、これを利用すればよいのではないか、と。「あ〜雨だ、いやだなー」ではなく、「いいよねー、雨」という具合に気持ちを切り替えるのです。言い換えると、わくわくした気持ちを起爆剤にして、半ば強制的に雨を楽しむ気分を演出し、自己暗示をかけていくという方法もあると思うのです。でないと、いつまでも悪い意味で天気に左右され続けてしまうでしょう。

私の演出法は、雨の日のカフェ。外はしとしと雨が降っていて、カフェの中で温かいコーヒーを飲みながら、ゆったりとした時間を過ごす。「シアトルにいる私」が、落ち着いた雰囲気の「カフェ」で「暖かくて有意義な」ひと時を送るところを想像すると、少なくとも私はわくわくします。みなさんも、同じように、好きなことをする自分を想像してみてください。少し楽しくなってきませんか?演出法は人それぞれでよいと思います。例えば、雨を歌った音楽を聴くというのもありでしょう。私は去年のクリスマスにもらった"Jazz for a Rainy Afternoon"というCDを聴きながら、コーヒーを片手に家で読書、という演出も時々やります。家で温かい鍋をするというのもなかなかよいですね。寒いからこそ楽しめるというものです。カラフルなレインコート(こちらで買うと雨の日でもOKの防水ジャケットということになりますが)を新調したら外に出てみたくなるかもしれません。そんなことを考えているだけで単純な私は元気になります。いろいろ工夫して雨を楽しみましょう!



1年間シアトル生活について書かせて頂きありがとうございました。今後ともみなさまのシアトル生活が、楽しく、平和で、有意義であることを願っています。


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第12回 雨の季節との付き合い方
第11回 シアトルで結婚
第10回 9月11日
第 9回 車を「できるだけ安く」買う
第 8回 アメリカの就職活動、シアトルのハイテク不況
第 7回 シアトルによくいる種類の人たち
第 6回 アメリカの結婚式
第 5回 アメリカ人になろう・1
第 4回 里帰り旅行第2弾
第 3回 一年ぶりの日本は・・・
第 2回 アメリカ人の男はロマンティスト?
第 1回 シアトル恋愛模様は雨模様?
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