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1996年にシアトルに引っ越してきたが、まだ「アメリカはこれだから・・・」と、外からアメリカを見ている。アメリカ人の夫も、「日本だとこうなのに〜」という妻の愚痴にも慣れた様子。もちろん、たまには家庭内日米摩擦が生じることもあるが、能天気で幸せな、2児の母である。
第7回 : 何かをかき立ててしまう男
1年ぶりに日本へ帰省した。そして、またしても夫がやってくれた。何を「また」やってのけたのかと言うと・・・関東地方に台風が接近し、予約していた飛行機が運休となって日本国内で足止めをくらったのが数年前。その次は、あの9月11日のテロ事件発生のためアメリカ出国が2日遅れた。昨年は、新幹線に乗りたいという子供たちのために国内移動手段に鉄道を選んだが、私達の日本到着に合わせてまたしても台風が到来し、東京駅で数時間も待たされ、疲れきった子供たちは新幹線の車内で熟睡。何のためにわざわざ新幹線を予約したのか不明のまま終わった(台風が静岡付近で停電を引き起こしたため鉄道が一時閉鎖されたが、空の便には大して影響がなかったらしい)。
そして今年。新幹線に絶対乗ると決めていた私の気合いが台風に勝り、日本列島に向かっていた台風は途中で勢力を弱めていた。しかし、夫が同伴しているのだ。この「日本へ行くと何かをかき立ててしまう男」がいると、台風がそう簡単にしぼむはずがない。11号の次は12号、13号と、子孫を増やして攻撃を緩めず、そして14号がついに成功・・・しかけた。
今年は中国地方と関東地方を訪問する予定だったが、関東地方への訪問は寸前でドタキャンした。しかし、その情報をキャッチしきれていなかった14号は、私達が国内線旅客機を予約していた日に、空港を閉鎖させるほどの勢力に達していた。台風の暴風域に入ったことで息子はワクワクし、娘は「おうち、つぶれちゃう?」と心配していたが、私の方は「負けてたまるか14号、ざまーみやがれ14号」ってなノリで、ミスター・ドーナッツへ買い物に行き(こんな状況下で開店しているのも驚きだったが、早々に店じまいするとのことで割引きしてくれた)、全身ずぶぬれになったが心は晴れ晴れとしていた。私達の予定をアップデートしていなかったことにガッカリしたのか、台風14号はその後予想以下の勢力で過ぎ去り、娘が心配したように家が潰れることはなかった。それでも、避難を余儀なくされた人たちが同じ市内にいたのだから(テレビでニュースを観てびっくり)、夫の「何かをかき立ててしまう」威力は侮れないのであった。
台風上陸の前日にスーパーへ買い出しに走ると、カップラーメン、インスタント食品、パン、懐中電灯が完全に売り切れていた。棚が空っぽのスーパーは、異様な雰囲気。残されたドラえもんかまぼこがかわいそうだったので1つ買ったが、日本人が非常時に必要とする物が明白に分かり、その発見もおもしろかった。アメリカで停電が起こるとデッキでバーベキューになるので、冷凍ピザよりも、ハンバーガーやソーセージ、それにケチャップとマスタードが最初に売り切れとなるのだろうか?シアトルに台風やハリケーンが来ないことはありがたい。しかし、大地震は心配されている。アメリカ人が餅とたくあんを買っておこうと思わないのは確実だから、品切れの心配はないだろう(そんなことを心配するのは、日本人でも私だけ)。
それにしても、夫の威力は恐るべしだ。単に偶然が重なっているだけかもしれないが、日本に帰る度にこうも何かが発生すると、カルチャー・ショックを感じない母国でも、別のショックはあるんだよと言われているような気がする。次回帰省する時は、夫を同伴しない方が無難かなと密かに思ってしまうのだが、その遺伝子を受け継ぐ子供たちが、梅雨女、大雪男として成長しないように祈ることも忘れないようにしよう。そして、同時に、私の念力も鍛えておこう。
次に何が起こるか油断はできないが、台風ニモ負ケズ、雪ニモ負ケズ、謎ノ男ニモ負ケズ、また日本に帰るぞー!
(2005年9月)
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最終回
さらばシアトル!
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第16回
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第15回
結婚式とお葬式
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観光したい!
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アメリカのタブー、夫婦のタブー
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第11回
アメリカのトイレ分析
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カミングアウトしまっせ
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私の決意−人種差別を体験して
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第 8回
薬と予防接種はスーパーで
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第 7回
何かをかき立ててしまう男
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第 6回
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ヘルメットをかぶるバックシート・ドライバー
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食文化ショック
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作法と習慣 - ご飯は左?それとも右?
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初めてのアメリカの味
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