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1996年にシアトルに引っ越してきたが、まだ「アメリカはこれだから・・・」と、外からアメリカを見ている。アメリカ人の夫も、「日本だとこうなのに〜」という妻の愚痴にも慣れた様子。もちろん、たまには家庭内日米摩擦が生じることもあるが、能天気で幸せな、2児の母である。
最終回 : さらばシアトル!
「なんでアメリカはこうやねんっ」とブータレ続けたこの10年。しかし、ついに日本に帰ることが決定しました。このエッセイが掲載されるころは、引っ越し屋さんのトラックに荷物を詰めてる・・・はず(だ、大丈夫かな)。シアトル生活10年が走馬灯のように頭の中を駆け巡り、ちょびっと心寂しい思いでこの最後のエッセイをタイプしてます。
見渡す限り一面の銀世界だったシータック空港に降り立った10年前のある冬の朝、「シアトルでは雪は積もらない」と私を信じ込ませた夫を嘘つき呼ばわりして始まったシアトル生活(その冬は珍しく大雪だったと後から知り、ほら吹き男は無事汚名返上)。順調に仕事を得て友達もでき、ましてや子供もこの地で産んで、シアトルが私の第2の故郷になりつつも、ピュージェット・サウンドを神秘的な美しさで包む炎のような夕焼けに胸がギュゥッと締めつけられて、突然ホームシックになったりもしました。シアトルのダウンタウンが好きで、高層ビルを見上げるたびに、「この街でがんばるねんっ」と自分で自分を励ましたりもしました。
「エメラルドシティ」。むちゃくちゃぴったりなネーミングやと思います。水と緑に囲まれたこの街が大好きです。どんだけ文句を言ってても、やっぱり好きです。でも、それでも、今は日本の家族の近くに数年だけでもいたいです。10年ぶりに日本で生活することは、もちろん不安がいっぱい。でも、私の心の中で何かが叫んでるんです。「今は帰らなあかん。大丈夫、そういう流れになってるねん」と。日本で新しい生活をして、家族一緒に新しいハードルを乗り越えられたら、今度シアトルに帰ってきたとき、もーっといいことが待ち受けてくれそうな気がしてきて、そしたら心配事は自然と薄らいできました。病は気からというように、心配ごとや幸せも気からっていうのが私の持論。ひたすら前向きに、子供たちが幸せいっぱいにニカーッと笑ってくれるように、私も一緒にニカーッと笑うことにしました。
救急車の音がアメリカと違うとか、踏切で一旦停止せなあかんとか、レジのおばちゃんが無駄話をしてくれんとか、しばらくは慣れへんことばっかり続きそうやけど、そんな逆カルチャー・ショックも楽しめたらいいなと思てます。旅行では発見できひんかったことが、生活してみるといっぱい見えてきて、10年間離れたことで、日本を改めて見直すこともできるかもしれへん。
大好きなシアトルが会わせてくれた大好きなお友達とのお別れはむっちゃ辛いけど、私の人生という本に新たなチャプターを増やして、うれし涙でぐちょぐちょにもしてから、またこの地で笑顔で再会できたらどんなに嬉しいやろう。そしてまた、「なんでアメリカはこうやねんっ」とブータレるんかな。でも、それは今とは違うブータレのような気がします。私達が留守の間、シアトルではモノレールが東西南北に走るようになり、マリナーズがワールドシリーズを制し、サマー・オリンピックまで開催されるかもしれへん!?今度帰ってきた時、どんな風に街が変わり、そして自分も変わっているか、むっちゃ楽しみです。
シアトルは、誰にでも平等に雨を降らせるように、同じく平等に夢への希望を与えてくれます。シアトルが大好きなみなさんにも、希望の夢がサンサンと振りかかりますように。長いようで短いお付き合いでしたが、エッセイを今まで読んでくれたみなさん、ほんまにありがとうございました。それぞれ違う方向へ歩み生き続けるとしても、これからもシアトルという結び目で繋がっている縁やないですか。一緒にがんばっていきましょうね!
(2006年8月)
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最終回
さらばシアトル!
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第16回
アメリカの長〜い夏休み
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第15回
結婚式とお葬式
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第14回
観光したい!
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第13回
泥棒御用
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第12回
アメリカのタブー、夫婦のタブー
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第11回
アメリカのトイレ分析
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第10回
カミングアウトしまっせ
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第 9回
私の決意−人種差別を体験して
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第 8回
薬と予防接種はスーパーで
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第 7回
何かをかき立ててしまう男
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第 6回
すっぽんぽん
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第 5回
ヘルメットをかぶるバックシート・ドライバー
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第 4回
食文化ショック
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第 3回
作法と習慣 - ご飯は左?それとも右?
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第 2回
言語習得法
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第 1回
初めてのアメリカの味
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