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1996年にシアトルに引っ越してきたが、まだ「アメリカはこれだから・・・」と、外からアメリカを見ている。アメリカ人の夫も、「日本だとこうなのに〜」という妻の愚痴にも慣れた様子。もちろん、たまには家庭内日米摩擦が生じることもあるが、能天気で幸せな、2児の母である。
第13回 : 泥棒御用
泥棒が入りました。とは言っても、道を1本挟んだお隣さんの家になんですけどね。改築中の家を留守にしていたある日の午前4時頃のことで、家の中は相当むちゃくちゃにされていたそうです。玄関の鍵を掛け忘れたり、ガレージのドアを開けたまま出かけたりってことを平気でしていた私は、えらいびっくりしました。
でも、びっくりするのはまだ早かったんです。泥棒事件の2日後のこと。家の周りの道がすべてパトカーにより閉鎖され、空には、パイロットのシルエットが見えるほど低空飛行するヘリコプターが旋回し始めたんです。子供を幼稚園へお迎えに行く時間になったので、外に出て警察官にどないなってるのか質問したところ、「何も心配することはない」と答えはるだけ。ほんまかいなと思いつつ、帰宅した子供と一緒に家で昼食をとっていると、にわかに外が騒がしくなったので急いで窓から外を見ると、四方八方からパトカーがけたたましいサイレンを鳴らしながら家の前に集まってきてるではないですか。警察官達もお互い叫ぶように連絡しあって、ただごとではない様子。
そこで私は何をしたかというと、子供の身を守るために安全な場所へ避難・・・ではなく、子供に外を見張らせ、急いでビデオカメラを用意!「警察が探しているのは、人なのかツチノコなのか何なのか!?」と、ドキドキしながら見ていると、警察犬が目の前の隣家の納屋にタタタッと走り寄り、ドアを警察官が開けてみると、い、いたんですよ、男が!しかも2人も!警察官よりも犬が先に突っ込み、うわーっという騒動になり、1人の警察官が必至で犬を引っ張りだし、別の警官が犯人達に銃をつきつけ、犯人達は地面にひれ伏し、手錠をかけられ・・・まさに映画ですがな。怖いどころやあらへんです。気付いたら、必死で撮影する手が震え出して、もう大変。我が家がその家よりも高い位置に建ってるもんやから、リビングルームから一部始終を目撃しました。そしてもちろん、その納屋も警察官が来る前からずーっと見てたんです。いつから犯人がそこに身を潜めていたのかは分かりませんけど、すぐ目と鼻の先に犯人がいたんやと思ったら、背筋がゾゾー。我が家の庭には小さな犬小屋はあれど納屋はあらへんから良かったものの、もしかしたら犯人は逃亡中に庭を通ってたかもしれへんし、家に入れるかとドアを試しに触っていたかもしれんへんし・・・と、まぁ、推理小説家並に想像力がかきたてられましたわ!
この男達が泥棒だったと後から分かったのですが、警察官に抵抗することもなく、また武器も携帯していないようで良かったものの(警官が犯人の財布から分厚い現金の束を出してました)、これが子供の目前で発砲事件に発展してたらえらいことでした。私がとりつかれたように「こわー、こわー、こわー!!」と言いまくってたせいで、子供も怖がってしまったんですけど(非常事態に子供以上にパニくる、頼れる母親を見事に披露)、落ち着いてから子供と話をすると、警察犬の立派な働きぶりが一番印象に残った様子で、ずっと犬の話ばかりしていました。銃よりもワンちゃんに目がいく、汚れていない瞳ってええですねぇ。
これが日本やったら、警察官は銃を突きつけるのではなくこん棒を出してたんでしょうか。慣れた手つきで銃を扱う警察官を目の当たりにして、久しぶりに銃の国アメリカを実感してしまいました。銃が使われそうになる瞬間を実際に見てしまうと、まともにカルチャー・ショックを受けるもんですね。
この事件の後遺症で、お隣さんの納屋がふと視界に入ると胸の中が不安な気持ちでざわつくんですけど、子供の「ど
ぼ
ろうさんがいたんだよね」というかわいい言葉にちょっと救われてます。「どぼろう」さんだったら、ママが捕まえちゃう。
(2006年4月)
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第16回
アメリカの長〜い夏休み
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第15回
結婚式とお葬式
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第14回
観光したい!
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第13回
泥棒御用
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第12回
アメリカのタブー、夫婦のタブー
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第11回
アメリカのトイレ分析
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第10回
カミングアウトしまっせ
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私の決意−人種差別を体験して
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第 8回
薬と予防接種はスーパーで
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第 7回
何かをかき立ててしまう男
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ヘルメットをかぶるバックシート・ドライバー
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