ダウンタウンの一角にある重厚な石造りのビル。ドアマンが開けた扉をくぐり、エスカレーターを上がると、ロビーの向こうに優雅な天井高のザ・ジョージアンが広がります。
「去年の地震で被害を受けたのをきっかけに、壁の色を塗りなおして椅子を変えてみたら、雰囲気がガラッと変わったんです。自然光が映える明るい感じがご好評をいただいています」と広報部部長のアリサ・マルチネスさんが言うとおり、天井にまで届きそうな窓から差し込む午後の陽射しに薄いクリーム色に塗られた壁が照らされて、部屋全体がとてもあたたかい感じです。1920年代に作られたという豪華なシャンデリアと優雅な家具がアクセントになって、正統派アフタヌーン・ティーを楽しむには最高の雰囲気。
アフタヌーン・ティーはご存知のとおり、イギリスの伝統文化。たっぷりの紅茶と盛りだくさんのサンドイッチやデザートなどを時間をかけてゆっくり楽しむもので、日本でも女性を中心に人気です。ここザ・ジョージアンの紅茶のラインナップは12種類。選んだ紅茶をポットに入れて、3段重ねのフード・トレイと一緒にサーブしてくれます。シアトルでは紅茶をティー・バッグで出されてがっかりする店も多いのですが、ザ・ジョージアンはもちろん本格派のルーズ・リーフ。日本の紅茶専門店の品揃えを見慣れていると、もう少しチョイスが多ければと思われるかもしれませんが、アール・グレイ、アッサム、イングリッシュ・ブレックファスト、セイロン、カモミールなど、人気の高い茶葉を中心に、たいていの人の好みに合いそうなフレーバーが揃っています。もちろん、ポットのお茶が濃くなってしまったら、快くお湯を注ぎ足してくれます。 |

スモークサーモンにロブスター。やはりフォーシーズンならではのラインアップです。 |
3段トレイの1段目は、アフタヌーン・ティーの定番、クリーム・ティー。あたたかいスコーンをナイフで半分に切り、デボンシャー・クリームとラズベリー・ジャムをたっぷり塗っていただくのがポイントです。デボンシャー・クリームというのはイギリス南西部で2000年以上も前から作られている伝統的なクロテッド・クリームのことですが、デボンシャー地方で作られているものは特にデボンシャー・クリームという名前で親しまれています。リッチな見た目のわりにさっぱりした味わいで、甘いジャムと、ジョージアン特製の大粒チェリー入りスコーンとの相性は抜群!
2段目は伝統的なイギリス式アフタヌーン・ティーに欠かせないサンドイッチが並んでいます。エビ、スモークサーモン、カニなど、ノースウェストらしいサンドイッチを味わいましょう。一口サイズですが、もちろんお代わりも自由です。 |

スコーンは焼きたて。クリームとジャムをたっぷりつけて。 |
そして最後は盛りだくさんのデザート・ケーキで締め。ストロベリー・タルトやチョコレート・ケーキなどをひと口サイズ(アメリカ人向けひと口サイズ?なのか、中にはふた口のものもありますが・・・)で楽しみましょう。濃くなってきた紅茶を最後に楽しむのにちょうどいい感じです。全体に量が多めですが、食べきれなかったものはもちろん持ち帰りもできます。
ゆったりと午後のひとときを楽しむアフタヌーン・ティー。すっかりリラックスできたうえにおなかも一杯で大満足だったのですが、1つ気になったのは、ティー・セットにこだわりが感じられなかったこと。正式なティー・セットを使うことは味わいの点でも重要なポイントのはず・・・と思って聞いてみたところ、現在さまざまなメーカーのものを試験中とのこと。次回が楽しみです。
※アフタヌーン・ティーの内容は季節によって変更します。 |

ちょっとさみしい食器。イギリス産のセットに変更することも検討しているとか。 |