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イクラとスジコ (筋子)(1)

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イクラ

イクラ

ロシア語の「Ikra」に由来する「イクラ」は、元来は「魚の卵」という意味ですが、日本ではその塩蔵品を指します。

イクラの作り方を簡単に説明しますと、鮭鱒の腹から鮮度の良い袋状の卵巣を取り出し、原卵をばらばらにしながら卵膜を取り除いて、飽和食塩水に10~20分漬けます。その後、水を切って低温で貯蔵します。これが「塩イクラ」です。これを醤油・酒・みりん等で仕上げた調味液に漬けて一晩寝かせれば「味付けイクラ」が出来上がります。

スジコの場合は、取り出した卵巣を飽和食塩水に30~40分漬けて水を切り、3% の食塩を加え、冷蔵庫で10日間ほど熟成させたら出来上がりです。

イクラおよびスジコの原料となる鮭鱒は、アラスカを含めた北米太平洋岸には5種類あります。

紅鮭(Sockeye:ソッカイ)
銀鮭(Coho:コーホー)
シロ鮭(Chum:チャム)
マス(Pink:ピンク)
キングサーモン(Chinook:チヌーク)

種類にもよりますが、北カリフォルニアからロシアとの国境に近いアラスカ州ノーム北方のコッツビューまで広範囲にまたがり、漁獲されています。各鮭鱒の原卵は、品種・漁場・漁獲時期・海洋の自然環境の変化等により、卵質・色および皮の硬さも変化するようです。だいたいの特徴と用途は次の通りです。

  • 紅鮭卵:全量といって良いほどスジコに使用。赤系の色で、スジコには最適。ほぼ100%日本向けに出荷。親の漁獲量および卵の生産量はピンクに次ぎ2番目に多い。
  • 銀鮭卵:卵の大きさは紅鮭より大きく、赤系の色で、スジコおよび塩イクラに使用。
  • チャム卵:卵は大きく、オレンジ系の色で、塩イクラ・味付けイクラ・スジコに使用。米国の日系食料品店・レストランではチャム卵が主流。
  • キング卵:魚体としては一番大きい(約10kg)ので、卵も大きい。オレンジ系の色で、塩イクラおよびスジコに使用。
  • ピンク卵:魚体は一番小さく(約1.5kg)、また卵も最も小さい。薄いオレンジ系の色で、親の漁獲量が一番多い分、卵の生産量も一番。スジコ・生冷凍卵・塩イクラ・味付けイクラに使用。

掲載:2009年3月 更新:2021年10月

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