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海による災害

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ルイジアナ州・ミシシッピ州、およびアラバマ州を襲ったハリケーン・カトリーナ。日本の九州に上陸して猛威を振るった台風14号。そして、昨年、東南アジアで起こった津波。これらは、水産業界に従事している者として、海洋の恐さを改めて認識させられた災害でした。海の波、高潮、および津波について、改めてまとめてみました。

1)海の波
海の波の種類は大別して、a. 風浪(直接風によって生ずるもので、風速が大きいほど波高・波長は大きくなる)、b. うねり(暴風による大浪の浪源から送り出されてきた自由波)からなります。

2)高潮(たかしお:風津波)
高潮は海岸水位の気象的原因により異常に高まる災害現象をいいます。普通、台風襲来にともない、大風に吹き寄せられた海水と、低気圧通過のため吸い上げられた海水とが寄り集まり、湾内の幅振動発達、降雨による河川出水が加わってさらにに水面が高まり、高潮となります。今回のハリケーンはニューオリンズではさらに満潮と重なり、最悪の状況になりました。潮位(海面の高さ)も30フィート(9m)程上がったとも言われています。

3)津波(つなみ:地震津波)
津波は高潮(風津波)と区別し、地震津波とも言われています。津波は深海底に震源を持つ大規模な地震によって起こり、海底の陥没・隆起で直上の海面に浪源を生じます。津波はその名の通り、港津の大波で、沖合いでは通ったのも分からないほどでも、沿岸に近づけば、特にV字形(リアス式)の湾奥では、波の勢力が集まって著しく高くなります。津波は大きな水の土手か壁のように突進してくるもので、くずれると奔流(秒速10mくらい)になり、1平方メートルに5トンぐらいの圧力を及ぼし、引き潮で家も船も沖へさらってしまいます。暗礁や防波堤が前方にあると波が早くくずれ、被害は少なくなります。

ハリケーン・カトリーナによるルイジアナ州の水産業界への影響は甚大で、漁船、水産物の水揚げ、および冷凍冷蔵施設の壊滅的な状況下で、主要品のシュリンプを含む水産業が元に戻るのに18ヶ月掛かるとも言われており、ガルフ・ホワイト・シュリンプ、ブルー・クラブ、養殖ナマズ等の水産物の供給が大変心配されています。宇和島屋では最近同州からそれらの水産物を仕入れておりませんので、お客様にはご迷惑がかかることはないとは言え、念のためお知らせしておきます。

掲載:2005年9月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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