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アワビ (漢字名:鮑、分類:古腹足目ミミガイ科、英名:Abalone) (3)

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米国でもアラスカからカリフォルニアにかけて天然のアワビが棲息しており、ハワイ、およびカリフォルニアではアワビが養殖されています。20年前ごろには、殻の長さ10~12センチ、殻付きで重さ110~170グラムのアラスカ産天然ピント・アワビ(Pinto Abalone)が年に一度10月から11月にかけての限定期間内に限定数量のみ解禁されました。冷凍したこのピンクアワビを日本向けに輸出したことがありますが、品質、および価格が合わなかったのか、禁漁になったためか、長い商売にはなりませんでした。余談ですが、エゾアワビに類似してると言われるこのピントアワビの学名は 『Haliotis Kamtschakana』 と、カムチャッカの名がつけられていますが、同地には分布していないそうです。

アラスカでピント・アワビを凍結する方法は、生きたアワビの殻を下にし、急速凍結(送風凍結: air blast frozen)します。生きたまま急速凍結されたアワビで鮮度が良い最高級品と言われるものは、身が縮み、周囲がギザギザになり、なおかつ身の表面が起伏状になっています。

水産物を凍結する目的は、あたりまえのことですが、凍結前の品質を低温で維持させることにあります。このため、急速凍結が最も優れています。その理由は次のとおりです。

  • 発生する氷結晶が非常に小さいため、肉組織を傷めない。
  • 凍結時間が非常に急速であると、脱水的損傷が少ない。
  • 急速に冷却されるため、微生物の発生、および酵素作用を押さえ、凍結する間の変質も少ない。
  • 急速に低温になるため、凍結する間に乾燥することも少ない。

冷凍水産物を解凍する際にはどんな方法を取るにしても、大切な点はなるべくすみやかに、かつ均一にむらなく解凍して、解凍終温をできるだけ低くすることです。こうすることによって、微生物や酵素の働き、蒸発や酸化を押さえることになります。また、魚肉タンパく質が変性しやすい温度は摂氏マイナス5~マイナス2度あたりですから、この温度のところをすみやかに通過させると、品質には良いようです。

掲載:2009年2月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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