1900年代初期、農家と消費者の間に立って農産物を売りさばく委託販売業者などが原因で農産物の価格が高騰。1907年7月、農家と消費者からの苦情を受けたシアトル市議会は、「これでは農家も消費者も共倒れしてしまう」と
Pike Place にファーマーズ・マーケットを設置するという条例を可決。これにより、農家が消費者に直売することが許可され、委託販売業者が排除されることとなった。The
Seattle Department of Streets が 1st Avenue と Pike Place の交差点の西側を農産物を乗せたワゴンやカートが並べられるよう整地すると、8月17日から直売が開始。1977年に制作されたドキュメンタリー映画
『The Market』 によると、委託販売業者の脅しに恐れをなした農家が多かったため、初日に販売した農家はわずか8軒だったが、1万人の買い物客が待ち構えていたという。Historylink.org
では、その初日に農産物を販売した農家の1つは日本人だったと記載している。その後、全盛期に突入するが、太平洋戦争が勃発し、マーケットの店子の大半を占めていた日系人達が強制収容所へ送られると、マーケットの存続自体が危機に直面。しかし、1969年にワシントン大学の教授で建築家のスタインブリューエック氏が設立した民間組織フレンズ・オブ・ザ・マーケットが大規模なキャンペーンを行って再開発に反対する気運を高めたことにより、1971年には市民投票が行われ、パイク・プレース・マーケットの保護が可決された。その際に新鮮な農産物と地元の農家を支えることがその使命となり、それは現在も維持されている。
もちろん、小売店だけでなく、カフェやレストランもいろいろある。映画
『Sleepless in Seattle』 でトム・ハンクスが同僚と食事をするシーンに使われたアセニアン・イン(Athenian
Inn:Pike Place Market 1階)や、屋外での食事が楽しめるボリビア料理のコパカバナ(Copacabana Cafe:1520
1/2 Pike Place)、イタリア料理ならピンク・ドア(Pink Door)、フランス料理ならカンパーニュ(Campagne)、ビストロならシェシェ(Chez
Shea:Pike Place Market 2階)などよりどりみどりだ。軽食で済ませたい場合は、イタリア人が経営するイタリア料理の惣菜店デロレンティ(DeLaurenti:1435
1st Avenue)、フランス人とアメリカ人共同経営のベーカリー、ラ・パニエ(La Panier:Pike Place Market
1階)などもおすすめ。
そしてファンなら見逃せないのは、今や世界の大企業に成長したスターバックスの1号店。1971年に開店したこの店舗は、当時使われていたロゴ(胸を露出した人魚の下半身の魚部分が左右に分かれているリアルな絵)を掲げている。早朝は比較的静かだが、昼ごろから夕方にかけてはごった返すことも多い。特にこの店舗でしか販売されていない
『PIKE PLACE MARKET』 の文字が入ったマグカップなどは土産物としても人気だ。夏には店舗の前でカルテットやミュージシャンらによるパフォーマンスが楽しめることもある。